全2232文字
コンビニの24時間営業や食品廃棄の問題に、世の中の厳しい目が向けられている。ファミリーマートの澤田貴司社長は2016年9月の社長就任以降、サークルKサンクスとのチェーン統合に集中してきたが、今期からは加盟店支援に重点を置くと宣言している。従来のコンビニ事業の課題をどう打ち破るのか聞いた。
ファミリーマートの澤田貴司社長(写真:的野 弘路)

24時間営業や食品廃棄の問題に、世の中の厳しい目が向けられています。2016年9月の社長就任からこれまでに、コンビニを取り巻く状況はどう変わってきたのでしょうか。

澤田氏:コンビニは30坪強の面積に近隣住民が求めるものをそろえ、近代化が遅れていた個人商店にパッケージを提供することで、百貨店、GMSに続く成長モデルとして台頭しました。(同地域に集中的に出店する)ドミナント戦略も成功し、物流やマーケティングの効率化が進みました。

 ただ、2010年代に突入してから、店舗が増えて過当競争に陥りました。すべて直営店であれば、百貨店やGMSがそうであったように淘汰と統合を繰り返すことができます。しかしフランチャイズ(FC)ビジネスは加盟店オーナーとの利益配分が生じる点で、百貨店、GMSとは根本的に異なるモデル。にもかかわらず店舗の淘汰が始まり、そのしわ寄せを加盟店が受けてしまっています。

 本部主導でチェーンの方針を決める時代は終わりました。ゲームチェンジです。これまでも加盟店に配慮してきたつもりですが、全く足りなかった。大反省です。加盟店オーナーからも強烈な意見をいろいろともらっています。サークルKサンクスとのチェーン統合が終わった今期は加盟店支援を最優先にして、総額1400億円の投資額のうち85%を既存店の収益力強化に充てます。

チェーンが拡大すればするほど、本部と加盟店の間に距離ができてしまうという弊害がありそうです。

澤田氏:そんなことはないと思います。大きくなったからというより、リーダーシップの問題じゃないでしょうか。私も含め、本部社員がどれだけ現場を深く理解できているかということです。今は本部のほうがゲームチェンジについていけていない。とにかく売り場に商品を出せば売れるという、悪しき小売業の価値観が残っています。自分で商売をしている現場のオーナーのほうがよっぽどしっかりしています。

 現場をバックアップする人事体制も、ようやく作ったばかりです。たとえば(熊本県の)天草、(兵庫県の)淡路島、(青森県の)大間といった出店エリアに、スーパーバイザー(店舗経営指導員、SV)を駐在させるようにしました。これまでは周辺都市から車を長時間運転して行き来するなど、あまりにも無駄が多かった。あなたの仕事は運転じゃなくてコンサルティングだろう、と。規模を追求する過程で仕事の質に目を向けなくなり、本部の都合や意味のないルールで動いてしまう。怖いことです。