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 「無印良品」のブランドを冠する「MUJI HOTEL GINZA」が4月4日、東京・銀座に開業した。中国・深圳、北京に次ぐ3カ所目で、日本では初となる。北京と東京のホテルを運営するのは良品計画ではなく、建物の設計にも参加した設計事務所のUDS(東京・渋谷)。ホテルのデザインなどを監修した良品計画との出会いは20年ほど前に遡る。協業に至った経緯や今後のMUJIホテルの展開について、UDSの梶原文生会長と、良品計画でホテル事業などを担当する生明弘好執行役員に聞いた。

4月4日に開業したMUJIホテル銀座は全79室(写真:竹井俊晴、以下同)

UDSが良品計画のホテルを手掛けることになったきっかけは何でしょうか。

UDS・梶原文生会長:20年ほど前、私たちが手掛けていたコーポラティブハウスを、良品計画の専務だった金井政明現会長が「面白い」と言って、当時の社長らと一緒に見に来られたのがきっかけです。

 コーポラティブハウスは、住宅をつくるにあたって入居予定者同士が意見を言い、コミュニティーを作りながら、設計にかかわっていくものです。日本では当時珍しく、初めて事業化したのは当社でした。良品計画は住宅への参入を考えていたタイミングでしたので、関心もあったのだと思います。

客室では無印良品の商品を体験してもらう

そこから北京のMUJIホテルが開業するまで20年で、どんな交流があったのでしょう。

梶原氏:コーポラティブハウスへの訪問をきっかけにいろいろな情報交換をしたり、アドバイスをいただいたりしていました。金井会長から「ホテルを手掛けるつもりだけど、どんなものが面白いかな」というお話もありました。

 一方、我々はホテルの設計や運営も独自で始めました。ホテルをチェーン展開しようとすれば、金太郎あめのように同じようなものをどんどん造るのが最も手軽です。しかし、我々はホテルをコミュニティーの場、街の一部と捉え、地域の特性を出しながらデザインしていくようなものと思っている。そういう考えに基づいて、古いホテルのリノベーションによる「CLASKA」(東京・目黒)などの企画・運営をしてきました。

 コーポラティブハウスでは組合員に家を造るときに意見を聞きます。そうした中からドアノブなどを一緒に開発して、良品計画が販売することもありました。