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中国でも急速に高齢化が進んでいる(中国・成都市、写真:ロイターアフロ)

 中国では現在、高齢者が定年退職すると年金が平均月額で3000元(約5万円)~4000元ぐらいになります。金額的には十分といえます。病気になっても、医療保険で多くがカバーされます。しかし新たに問題になっているのは、認知症になったときに医療保険ではカバーできないことです。在宅で認知症ケアをする場合、月に1万元以上かかります。年金よりはるかに高額です。

 年金と医療保険は既に国民皆制度になっています。先月の発表によると、長期的な介護保険については、都市部を中心に実施している試行実験(パイロットプログラム)の対象を広げていく必要があるとのことでした。日本の2000年前後のような状況です。日本では小規模な多機能の地域センターが役立ち、家族がデイケアに連れて行くこともできます。中国でこれを機能させるには、あと1~2年かかると思います。

65歳以上の6%が認知症

認知症の方にとって、デイケアはとりわけ重要ですね。中国には認知症の高齢者はどのぐらいいるのでしょうか。

 中国の認知症の高齢者は1000万人です。65歳以上では6%が認知症です。中国にも日本や韓国のように、認知症ケアの中長期計画が必要です。長期的には介護保険システムにも認知症の高齢者に特化した枠が必要でしょう。政府も昨年から対策を講じています。

企業の動向はどうですか?

 国務院は2016年12月、高齢者ケアを市場に開放する政策に変更すると宣言しました。ケアの質を高めることも16年に宣言しました。高齢者向けコミュニティーセンターの大部分は民間企業かNGOが投資しています。開放は質的な変化をもたらし、今では日本企業を含む主要な外資系企業が中国市場に参入しています。

 日本の認知症専門企業も参入し、北京に東京でのビジネスモデルをそっくり持ち込みました。ドイツやフランス、米国、韓国の企業も中国に拠点を持って事業を展開しています。中国企業に関しては政府のデイケアサービス事業を買収して成長した例もありますが、基本的にはまだまだです。