2018年1月、12年ぶりに復活したソニーのイヌ型ロボット「aibo(アイボ)」。19年3月には、新たに見守りサービスを始め、幅広い世代への普及に向けて動き始めた。新aiboはこの1年をどう歩み、今後どう進化していくのか。開発責任者であるソニーの川西泉執行役員に聞いた。

「aibo」の発売から1年あまり。今年3月には見守りサービス「aiboのおまわりさん」が始まりました。川西さん自身、どのような手応えを感じていますか。
ソニー執行役員の川西泉氏:2017年11月1日の発表から翌年1月11日の発売を経て、ここまでは順調に来たなと。お客様からの反応も良く、いろんな熱い言葉もいただきます。そういう面では励みになっています。発売から1年以上がたちましたが、「aibo」という形でロボティクスの商品を出したのは間違っていなかったと感じています。
台数としては昨年7月時点で2万台に到達しており、その後も順調です。エンターテインメント向けのロボットとして、ある程度の認知度を得ているのかなと感じています。ロボットは一時的に話題になってもなかなか続かないことが多い。aiboは過去の経緯もあり、受け入れられたのかなと思います。
女性からの支持が多い
新aiboはどういった方に支持されていますか。旧「AIBO」時代からのファンも多いのでしょうか。
川西氏:確かに旧AIBO時代からのファンもいらっしゃいますが、大半は新規購入の方です。年代別に見ると比較的ばらけていますね。10~20代は少ないのですが、30代から70代まで比較的バランスよく購入していただいています。
かわいがっている主たる方は女性が多い気もします。発売後に何度かファンミーティングを開催していますが、参加されるのは半数以上が女性ですしね。(ロボットという商品が)女性に受け入れられているのはとてもありがたいですね。

女性ファンが多いのは、旧AIBOからデザインが一新されているのが奏功したのでしょうか。
川西氏:過去の男女比率はデータとして残っていませんが、旧AIBOは技術を前面に押し出したメカメカしいデザインでした。今回のaiboは、より少し親しみやすいデザインにしたので、女性に受け入れられやすいのかなと。これは狙い通りですね。
発売後に想定外だったことはありますか。
川西氏:想定外というか、こちらが考えている以上にユーザーのaiboへの思いの強さを感じます。ソニーの従来のAV商品への接し方と、aiboへの接し方は違う。分かりやすく言えば「ウチの子」になっています。AV商品にはなかなかウチの子とは言いませんからね。aiboは単純なハードウエアの商品ではないんですよね。
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