LIXILの瀬戸欣哉社長兼CEO(最高経営責任者)が、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の推進に力を注いでいる。その柱となるのが、女性管理職を増やすことだ。なぜ、D&Iを推進するのか、話を聞いた。

LIXILの瀬戸欣哉社長(写真:的野弘路)

経営の方向性を巡って創業家の潮田洋一郎氏と対立してCEOを解任されたのが2018年10月末。その後、2019年6月の株主総会を経てCEOに復帰してから、組織の在り方を変えてきました。階層を減らすなど組織の構造をシンプルにしてきたほか、40歳以上の社員を対象に希望退職プログラムも実施しました。これまで瀬戸さんは、人員構成などLIXILが抱える組織の課題をたびたび指摘してきましたが、解決のめどは立ってきましたか。

(関連記事:40歳以上1200人希望退職のLIXIL瀬戸氏「幹部ポストも大幅削減」

瀬戸欣哉・LIXIL社長兼CEO(以下、瀬戸氏):制度面の改革はだいぶ進みましたが、性別や国籍、年齢などに関係なく、誰もが等しくリーダーとして生き生きとして活躍し、成長できる会社という最終形には、まだなっていません。特に、もっと女性に経営に参加してもらう、もっとリーダーになってもらうには制度を作っただけでは難しい。

組織の形はだいぶ整ってきたけれど、特に女性の登用に大きな課題があるということですか。

瀬戸氏:よく「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」と言いますが、インクルージョンが目的で、ダイバーシティは手段ですよね。組織が多様性を持つことで、誰もが「自分は組織の一員だからがんばろう」という気持ちになるのがD&Iです。その中で特に大切なのが、人口の半分を占める女性がもっと管理職になって、経営に参加できるようにすることだと考えています。

 はっきり言って、何のために女性がもっと経営に参加しなければならないのかというと、「もうけるため」です。

 LIXILのトイレやキッチン、お風呂、ドアなど様々な商品は、男性と女性が等しく使っています。今の社会状況で見れば、キッチンなどは女性の方が使っている回数が男性よりも多いでしょう。そういう状況なのに、商品を開発、デザインして、作って売るという意思決定の中心にいるのはほとんどが男性です。社内で商品やサービスの会議をしていて、「女性の視点を入れよう」と言っても、その場に女性がいないことも多い。それでいいのでしょうか。

 今、LIXILの管理職で女性は5.9%しかいません。この状況を変えていくには、かなりいろいろなことをしていかなければなりません。

女性の管理職を増やすには、具体的にはどんなことが必要でしょうか。

瀬戸氏:大きく分けると、3つのことが必要だと考えています。

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