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 ノルウェー産のサーモンやサバは日本の回転ずしに今や欠かせない食材。北欧の漁業大国ノルウェーは、大規模化とテクノロジー導入で「稼げる漁業」を追求する。かたや漁獲量の減少や担い手の高齢化にあえぐ日本は、改革の足取りもおぼつかない。ノルウェーのハーラル・ネースビーク大臣の来日にあわせ、「目指すべき強い漁業」へのヒントなどを聞いた。

3月中旬に来日したハーラル・トム・ネースビーク漁業大臣。日本の政府関係者と捕鯨問題やEPAなどについて協議した

日本市場はどのような位置づけですか?

ノルウェーのハーラル・トム・ネースビーク漁業大臣(以下、ネースビーク氏):日本は極めて重要な国で、アジアで水産物の最大の輸出先です。経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉を進めることで、より多くの恩恵を受ける事ができると考えています。サバやサーモンなどは身体や脳の働きに良い影響を与えることをアピールしたいし、品質も、我が家のリビングから工場の様子を毎日見ており自信をもって保証できます。 

日本は国際捕鯨委員会(IWC)から昨年脱退しました。ノルウェーと協力は深められますか?

ネースビーク氏:今回、日本の政府関係者と捕鯨に関しても情報交換しますが、「持続可能な捕鯨」を目指している点は両国とも同じで、同じゴールを持つという点で我々の見解は一致しています。

 日本とノルウェーは漁業国として多くの共通点があります。例えば、漁業の担い手の高齢化はともに大きな問題です。ノルウェーでも、若者はかつてのように漁業に従事したいと考えなくなっています。日本の課題へのアプローチを学び、ノルウェーに持ち帰りたいと思います。

日本の寿司は「芸術品」

日本の食文化に触れた感想は。

ネースビーク氏:東京の寿司店に行きました。感激したことは、日本の寿司は、料理であると共に芸術作品でもあるということです。職人たちが我々の頭では想像できないような創作をする。どのように準備して調理すれば、作品を生み出せるのか。学ぶところは多かったです。

 ショッピングモールにも行きました。水産品の品ぞろえが極めて豊富だったほか、寿司や刺身などの陳列のしかたについても消費者の目を惹く工夫がなされていました。正直、ノルウェーではただ商品を並べているだけ。日本は魚の需要を喚起するためのノウハウを多く持っていて、学ぶ点は多いと感じました。