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政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に対応すべく、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を国会に提出した。「緊急事態措置」を宣言できるようになる。立憲民主党の山尾志桜里衆院議員は、宣言に当たっては国会承認(緊急の場合は事後)を必須とするよう強く求めている。同措置は、言論の自由を奪いかねない強い制限を国民に課すことができるものだからだ。(聞き手 森 永輔)

新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、政府が3月10日、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を提出しました。衆議院の内閣委員会は3月11日、与野党の賛成多数でこれを可決。13日の衆参本会議で採決し、成立する予定です*。山尾さんは、同法が定める「緊急事態措置」に強い懸念を示されています。どこに問題があるのでしょうか。

*:このインタビューは3月11日に行った。同法案は3月12日、衆院本会議で可決され、参院に送られた
山尾志桜里(やまお・しおり)
衆議院議員。立憲民主党で党政務調査会長代理。東京大学法学部卒業。司法試験合格後、検察官に任官し、東京、千葉、名古屋の地検で勤務。2009年の総選挙で民主党から初当選(愛知7区)。16年から民進党・政務調査会長を務めた。現在は法務委員会では筆頭理事を務める。内閣委員会委員、憲法審査会委員に所属。(写真:菊池くらげ、以下同)

山尾:この緊急事態措置は、国民の目と口を封じることができる非常に強い措置です。なので、改正するならば、その宣言に際して事前の国会承認を義務づけ(緊急の場合は事後も可)、民主的統制を高める必要があると考えています。現行法は、事後に国会に報告するだけですみます。期間も最長2年となっており、これは長すぎます。

(新型インフルエンザ等緊急事態宣言等)
第三十二条
 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。