地域振興に貢献
継続的な運営には、地域外からの利用者を増やすことが不可欠のように思われます。
中村:そうですね。交流人口を増やして地域振興に貢献する役割も果たしていく必要があります。そこで18年11月にジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワークなどと『三陸国際芸術推進委員会』を立ち上げました。地域の芸能を発信するための組織です。青森県から福島県にかけての沿岸は特に芸能が盛んな地域で、舞踊などの団体が2000以上あるとされます。外から見れば『宝の山』で、コト消費の格好の材料でもあります。三陸鉄道はこの地域の中央に位置します。芸能は教育委員会、観光は観光課といった縦割り行政を解消し、各自治体もつなげて地域の新たな売りにしていきたいと考えています。
2月9日から3月24日までの『三陸国際芸術祭』(国際交流基金アジアセンターなどと共同開催)はその第1弾のイベントです。芸能は見るだけでなく体験することに魅力があります。その体験が心に響けば、その地域に通う可能性もあるでしょう。モデルはインドネシアのバリです。世界から体験に訪れ、衣装を買って、帰国したらグループをつくる。同じ現象を三陸にも起こせないかと考えています。

9月には、沿線の釜石市でラグビーW杯の試合が開催されます。
中村:W杯の組織委員会は観客に、鉄道かバスを利用して会場入りしてもらう計画を作っています。多くの人に、初めて三陸鉄道に乗ってもらうチャンスです。20年春には、東京五輪の聖火リレーが近くを通る予定で、海外からも多くの人が来てくれることを期待しています。
推進委員会としては、地域のお祭りや催し物を記した『芸能マップ』をつくり、W杯などで来場した人を各地域に誘導するような取り組みを進めます。どの時期にどんなイベントがあるかを見える化していく予定です。市町村とも連携して、イベントがなくても体験できるようにし、年間通して観光客に対応できる体制につなげられればと考えています。
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