東日本大震災から8年が経った。岩手、宮城、福島3県の津波で被災した沿岸部の社会資本整備はある程度、進んだ。だが産業再生、コミュニティ再生という部分は道半ば、手探りの状況がなお続く。原発事故の被災地については、さらに中長期的な対応が欠かせない。震災発生当初から、政府と自民党の双方で復旧・復興に携わってきた自民党の谷公一衆院議員に現在地と今後の展望を聞いた。

谷公一(たに・こういち)衆院議員。
当選6回、国土交通大臣政務官、復興副大臣などを歴任
(写真:竹井俊晴)

震災から8年、復興の現在地をどう見ていますか。

自民党東日本大震災復興加速化本部の谷公一事務局長(以下、谷氏):岩手・宮城両県ではいよいよ「総仕上げ」の時期に入っていると言えるでしょう。しかしながら、東京電力福島第1原発の被災地はこれから。確かに福島県でも相当のエリアで避難指示が解除され、いわゆる「帰還困難区域」でもエリアを絞ってですが、除染やインフラ整備が始まっており、一歩ずつ前へ進んでいるとは思います。ただ、あと5年、10年という期間で終わる訳では決してない。中長期的にしっかり国が責任を持って、対応しなければなりません。

それぞれの被災地での課題は何でしょうか。

谷氏:地震と津波の被災地でも、ハード面の整備や仮設住宅の解消は10年で終わる見通しです。心のケアを含め細やかな支援は時間をかけてやらなければならない。産業振興についても、特に大事な水産加工関係が震災前に比べれば厳しい。だから対策を持続しなければなりません。こうした事業者は風評被害対策のほか、被災で休業した間に失った販路の回復が課題になっています。

原発事故の被災地の状況は深刻です。

谷氏:生活支援以前に、東京電力福島第1原発への対応が山積みです。デブリの取り出し、燃料の取り出しと、前には進んでいますが、まだまだ時間がかかります。さらに帰還を巡る状況は厳しい。特に、子どもたちや若い世代の数が非常に少ないので、この点を十分踏まえながら、本当にきめ細かな帰還、帰還後の生活環境、産業復興、すべてが実のあるものになるようにしなければならない。

続きを読む 2/2 人口減局面での震災、再生の足かせに

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