ロシアが隣国のウクライナに軍事侵攻したのが2月24日。それ以降、小麦の先物取引価格は乱高下している。ロシアもウクライナも穀倉地帯であり、輸出大国だからだ。すでにコロナ禍の影響で高騰が続いていた小麦の価格は今後どうなっていくのか。さらに食料の多くを輸入に頼る日本は今後どうしていけばいいのか。資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表に話を聞いた。

柴田明夫(しばた・あきお)氏
柴田明夫(しばた・あきお)氏
資源・食糧問題研究所代表 東京大学農学部卒業。1976年丸紅入社。鉄鋼第一本部、調査部、業務部経済研究所産業調査チーム長などを経て、2001年に丸紅経済研究所の主席研究員に。同副所長、所長、代表となり、11年に資源・食糧問題研究所を開設し、代表に就任。

ロシアやウクライナは穀倉地帯として有名ですが、何をどれくらい輸出しているのでしょうか。

柴田明夫氏(以降、柴田氏):ロシアは特に小麦を多く輸出しています。輸出量は年間約3500万トンで世界一。ウクライナも約2400万トン輸出しています。この2カ国はこの20年ぐらいで台頭してきた新興輸出国です。

 以前からの伝統的な小麦の輸出国は米国、カナダ、オーストラリアでした。北半球と南半球に生産地域が分かれていることもあり、同時に不作ということはなかったのですが、今世紀に入ってから異常気象が続いたことで、同時干ばつが起こり始めた。代表的なものが2002年~03年の干ばつによる不作です。

 そうした中で、新たに農業大国として台頭してきたのがロシアやウクライナでした。この2カ国はソビエト連邦崩壊後、欧米資本などが入ってきたことで農業の生産性が飛躍的に伸び、現在まで生産量を伸ばしています。

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

ロシアのウクライナ侵攻以前から小麦の価格は上昇してきていました。さらに価格は高騰していくのでしょうか。

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