今年に入り、日本で流行した米国発の音声SNS(交流サイト)「Clubhouse」。第1期とも言える狂騒は過ぎ、「勢いは継続するのか」「Clubhouseをきっかけに音声コンテンツ産業の成長は加速するのか」といった点に関心は移り始めている。
2016年に「声のブログ」ともいわれる日本発の音声メディア「Voicy」を立ち上げ、既にClubhouseで6万人超のフォロワーを獲得した、緒方憲太郎最高経営責任者(CEO)にClubhouseが音声産業に与えた衝撃と、今後の発展の鍵を聞いた。

Clubhouseの登場をどう感じておられますか。
緒方憲太郎Voicy CEO(以下、緒方氏):いよいよ来たかという感じです。これまでにいくつかの音声サービスが誕生しましたが、成長は容易ではなく、業界全体で何とかしたいと思っていたところでした。
今までは、「自分の声で発信する」という文化を生むことに苦労してきました。声による発信はプロが担ってきて、一般の人が行う文化はなかった。Voicyは、「声のブログですよ」「誰でも発信していいんですよ」と打ち出してきましたが、YouTubeで顔を出して発信する人は増えても、声だけで発信する手法はなかなか広まらないという奇妙な状態が続いていました。
Clubhouseはアートのような格好いいサービスを打ち出して、この難しさをサクッと乗り越えてきた。サービス設計者として悔しいという気持ちはありますが、このビッグウエーブに乗らない手はないと思っています。

大阪大学基礎工学部卒業後、大阪大学経済学部卒業。公認会計士試験に合格し、2006年に新日本監査法人(現EY新日本監査法人)へ入社。その後Ernst&Young NewYork、トーマツ ベンチャーサポート(現デロイト トーマツ ベンチャーサポート)にてスタートアップから大企業まで経営支援を手掛ける。15年に医療ゲノム検査事業のテーラーメッドを創業し、3年後に売却。16年Voicy(東京・渋谷)を創業。既にClubhouseのフォロワーは6万人に増えて、Twitterのフォロワー(2.3万人)を超えた。
Clubhouseの「アートに近い」という設計とは、どのあたりでしょうか。
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