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 積水ハウス前会長の和田勇氏が「解任劇」から2年の歳月を経て、逆襲に動いた。自らを含む11人の取締役候補の選任を求める株主提案を積水ハウスに提出、4月の定時株主総会に臨む。自身の持ち株はわずかだが、総会での対決について「勝算があるからやっている」と語る和田氏。その自信の裏には何があるのか。2月17日、日経ビジネスの単独インタビューに応じた。

単独インタビューに応じた和田勇・積水ハウス前会長(写真:稲垣 純也、以下同)

株主提案では2017年夏の「地面師事件」についての調査報告書を会社が公表しないことを問題視し、ガバナンス(企業統治)整備の必要性を訴えています。(関連記事「積水ハウスへの株主提案、ゴールはどこに」参照)

和田勇・積水ハウス前会長(以下、和田氏):事件によって会社が詐欺にあった「被害者」となっていることが不可解だ。(社外取締役らからなる)調査対策委員会の報告書を見れば分かるが、あれは不正取引だった。その報告書を公にすることを拒む現経営陣はあまりにも不誠実で、ガバナンスに反している。おかしなことが起こっていると人々に知ってもらうことが第一歩だ。

株主総会に向け、いかに賛同者を増やすかが焦点となります。どう戦っていきますか。

和田氏:まずは実態の解明を進めることだ。いま我々の仲間が米国(の情報機関など)で(事件の実態を)調べてくれている。米国側からの提案を受けながら対策を進めていく。問題の不動産取引におけるお金の流れには、不思議で仕方ない部分が多くある。不動産取引に預金小切手を使うなどあり得ず、その預金小切手はどこに行ったのかも分かっていない。売買の中間にペーパーカンパニーが入っているのもおかしい。専門家に言わせると、マネーロンダリングの手口だそうだ。

株主総会までの2か月でできることはどういったことでしょうか。

和田氏:仲間たちが海外にいる。まずは我々が株主提案を出して、その後に、米国からも支援を受けることになっている。今は票読みとかではなく、ガバナンスの問題を明るみにし、日本の株主にもおかしいと思ってもらうことが先決だ。重要なのはガバナンスで、我々のもとには外部の経験豊かな人が集まっている。主張が株主総会で認められれば、取締役と執行役員の報酬をすべてオープンにしていく。簡単には捻じ曲げられないルールをつくっていく。