全841文字

 モンゴルの首都、ウランバートル近郊の貨物ターミナル。あまりの寒さでダイヤモンドダストが舞う中、現地の作業員がコンテナから荷卸しに取りかかった。フォークリフトで運び出したのは、約3500kmの道のりを旅してきた日本の中古車だ。だが、お目当ての荷物はそれだけではない。トランクを開くと、ぎっしりと詰め込まれた、花王製紙おむつ「メリーズ」が姿を現した。

 運んできたのは、世界153カ国への販売実績を誇る中古車輸出大手、ビィ・フォアード(東京・調布)。強みはモンゴルやアフリカ、カリブ諸国など、後発とされる新興国に築き上げた配送ネットワーク。総合商社すら圧倒する物流基盤を武器に、「新興国のアマゾン・ドット・コムになる」と山川博功社長は豪語する。

東京・調布にあるビィ・フォアードのオフィス受付。木彫りのゾウ、キリンにワニ、モンゴルの馬頭琴などが並び、さながら民俗博物館のよう。山川博功社長は「新興国のアマゾンになる」と意気込む。(撮影:的野弘路)

 同社はいま、この配送ネットワークを生かし、中古車とは別の新事業に挑もうとしている。世界の主要市場ではアマゾンや中国のアリババ集団などが先行する、「越境EC(ネット通販)」だ。

 座席上やトランク内部など、クルマには空きスペースが多い。「荷物が増えるといっても、これまで空気を運んでいた場所に載せるだけ。船賃は実質タダで運べる」(山川社長)。日本からアフリカに液晶ディスプレーを届ける配送料は20ドル。米UPSなど国際物流大手と比べて10分の1で運べるのだ。

 「アマゾンさんも最初は書店から始まった」と山川社長は語る。「中古車屋さんから始まった僕らも、今後はECサイトとしてはもちろん、ロジスティクスのプラットフォームの提供会社になっていきたい」

関連記事:
イスラエルの『伝説的起業家』が語る、AIの最終目標

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が成長の踊り場を迎えている。巨人達が足踏みする中、新たなフロンティアを探り当てた多くの「ユニコーン企業」が台頭する。10年後、どんな企業がGAFAに取って代わるのか。日経ビジネス1月14日号特集10年後のグーグルを探せ」では、「世界を変える100社」のリストを掲載している。