国別男女平等ランキングの日本のデータには集計ミスがあるのではないか──。

 世界経済フォーラム(WEF、本部スイス・ジュネーブ)が12月17日に公表した、男女の平等度合いを調査した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」。日本は、総合ランキングで153カ国中121位に沈み、過去最低の順位となった。先進7カ国(G7)の中で最も低く、中国や韓国よりも低い順位となった。

 こうした中、SNS(交流サイト)のツイッターなどでは「リポートに記載されている日本の統計データに間違いがあるのではないか」などと指摘する声が相次いだ。指数は経済、教育、健康、政治の4分野14項目から算出されている。各項目で公的機関が出した統計データを基にスコアを算出しており、各項目のスコアを加重平均して国別の総合順位を出している。指数は1に近いほど男女格差が少ないことを示している。

 今回、間違いが疑われたのが、教育の分野の項目の1つである「中等教育(中学、高校)の就学率」だ。前年の18年は女性が100.0%、男性が98.8%という統計データを根拠に、1というスコアが出ていた。

 19年は女性が48.8%、男性が51.2%で、スコアは0.953だった。日本の就学率が50%前後ということはあり得ず、1年でそこまで急落することもない。そのため、19年のデータは集計時になんらかのミスで誤って記載され、それを根拠にスコアも誤って算出されたのではないかと話題になった。

日本の各分野のスコアが記載された2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」のリポート。写真下部の項目「中等教育の就学率」(単位・%)の中央に、今回問題となった「女性48.8、男性51.2」との記載がある
日本の各分野のスコアが記載された2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」のリポート。写真下部の項目「中等教育の就学率」(単位・%)の中央に、今回問題となった「女性48.8、男性51.2」との記載がある

 だが、結論からいえば、スコアは間違っておらず、日本のランキングは121位のままのようだ。

 WEFジュネーブ本部の担当者によると、18年の日本の就学率は国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)が公表している統計データを利用していた。ところが、19年は日本に関してはユニセフの統計データが更新されず、昨年のデータについてもデータベースから削除されていたという。

 このため、WEFは同じユニセフから公表されている「中等教育に就学した生徒の女性比率」を利用することにした。女性は48.8%、つまり中等教育に就学した生徒の男女比「女:男=48.8:51.2」を示すデータを使った。スコアは、あくまで「男女が平等か」の観点で出すものであり、「男女比較が可能なので、中等教育の就学率に関するスコアの意味合いは本質的に前年と同じ。日本の総合ランキングは変わらない」(WEF担当者)。

 とはいえ、19年に採用したデータ自体が18年と違うことは確かだ。例年とは基準が異なるデータを使えば、スコアが示す意味合いが変わるのではないか。この点についてWEFは「採用したデータが前年と違うことも加味したうえで、今年のスコアを算出している。だから、スコアの意味合い自体は変わることはない。そうした複雑な計算をしているため、各国と比較ができるようなスコアを算出するのに毎年相当の時間がかかっている」と語る。

 日本の分野別のスコアを見ると、経済が0.598、教育が0.983、健康が0.979、政治0.049で、総合指数は0.652だ。教育のスコアは高く、政治と経済が総合のスコアを押し下げている大きな要因であることが分かる。特に政治のスコアは世界最低水準に沈んでいる。WEFは、19年のリポートで「世界では、女性の政治参画が増えたことで、男女格差は縮小している」と報告している。この指摘は、残念ながら、ランキングが後退した日本には当てはまっていないようだ。政治や経済の分野で一層の女性参画が必要なことに変わりはない。

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