(写真:PIXTA)

 世界経済フォーラム(WEF、本部スイス・ジュネーブ)は12月17日、各国の男女平等の度合いを調査した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。日本の指数は0.652で、総合順位は対象の153カ国中121位。前年の110位からランクを落とし、06年の指数算出開始以来、過去最低の順位となった。先進主要国首脳会議参加国(G7)でも最低だ。

 指数は、経済、教育、健康、政治の4分野14項目で算出している。各項目で男女比率などを分析して点数化し、その平均値で国別の総合順位を出している。指数が1に近づくほど男女平等の度合いが高いことを意味する。国の文化や経済のレベルを考慮せず、単純に「男女差」に着目してランキングしている。

 総合ランキングでは、アイスランドが1位、ノルウェーが2位など北欧勢が上位を占めた。G7ではドイツが10位、米国が53位などとなっている。121位の日本は、106位の中国よりも順位が低く、108位の韓国(前年は115位)に抜かれた。ランキングでは中東やアフリカの国々が下位に並ぶ中、日本は120位のアラブ首長国連邦(UAE)も下回った。

 今回、日本が順位を下げたのは、政治の分野で前回の125位から144位に順位が下がったことが響いた。教育、健康の2分野では比較的高いスコアが出ている。また経済分野ではスコア自体は依然低いものの、順位は前回から2つ上がった。WEFリポートの国別講評では「日本は、経済分野で進展したものの、政治分野における男女差拡大でそれが相殺された」と指摘された。

 日本の政治分野(3項目)を詳しく見ると、「国会議員(下院)の男女比」が135位、「女性閣僚の男女比」が139位とそれぞれ世界最低レベルだった。例えば、日本で下院にあたる衆議院の女性議員数は19年10月1日現在、全体の465人に対して46人と10%弱。WEFによると、19年の世界平均の女性比率は下院議員で25.2%、閣僚で21.2%だ。世界の平均と比べても、日本は女性議員比率はかなり低く、日本の政治の男社会ぶりが際立っている。

 今回の結果について、内閣府男女共同参画局の担当者は次のように語る。「政治分野の3項目を見て、各国データを客観的に比較すれば、日本が最低レベルなのは事実としては事実ですから、それは受け入れるしかありません。イメージ先行で女性の政治参画が少ないと見られやすい中東、アフリカでも女性議員の数が日本よりも多い国はあります。これから政治面で男女共同参画を促進する上で鍵となるのは、各政党の男女格差是正への取り組みだと思います。我々も各党に働きかけをしていきたいと思います」

 政治分野における格差是正推進に向けた取り組みは既に進んでいる。18年5月、議員の候補者数をできる限り均等にするよう各党に努力義務を課す「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が議員立法で施行され、女性の声をより政治に反映させた民主政治の発展を目指している。しかし、法整備は進んだものの、女性国会議員数も、女性閣僚数もまだまだ少ないのが現実だ。

 今回のジェンダー・ギャップ指数の分野別の順位を見ると、前年よりは順位が前進した経済分野と、前年よりも順位が後退した政治分野で、明暗が分かれた。しかし、経済分野も指数の水準はなお低い。政治の世界の男女格差是正を進めるのはもちろん、経済分野でも一層、女性が活躍できる環境をつくることが不可欠だ。

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