(写真:PIXTA)
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 「制度がもっと分かりにくくなってしまった」(証券関係者)。

 2024年に導入予定の新しい少額投資非課税制度(NISA)に対する評判が芳しくない。NISAとは、年間120万円分の株式や投資信託が非課税で運用できる制度のことだ。国民の資産形成、そして「貯蓄から投資へ」の流れを加速化させようと、14年に導入された。16年には未成年向けの「ジュニアNISA」、18年には積立投資ならば年40万円までの投資分の運用益が非課税になる「つみたてNISA」を新たに立ち上げるなど、わずか5年の間に、制度の拡充も進んだ。

 口座開設数は1161万口座と、始まった頃の475万口座から2倍以上に増えたが、稼働率は5割程度との調査もある。加えて、株式の短期売買にNISA口座が使われるなど、本来の趣旨とは違う使われ方をしている動きも否めない。また、NISA制度の種類が増え過ぎて、投資初心者には分かりにくいとの指摘もあった。

 こうした問題を改善すべく刷新されたのが新NISAだ。新NISAは、リスクの低い投資信託などに対象を限定した枠(1階)と、従来通りの上場株式などにも投資できる枠(2階)の2段構え。長期運用を前提にするため、1階部分に投資しないと、2階部分の枠は使えない仕組みになっている。

 年間の投資額は、1階が20万円まで、2階が102万円までの、総額122万円とした。非課税期間は現在のNISA同様、5年間となる。また、つみたてNISAは37年までだった期限を42年まで延長して残すことになった。ジュニアNISAは廃止する。

 「投資初心者にはリスクの大きさが分からない人もいる。2段構えにする意味はあるのだろうか」。個人向けに資産運用をアドバイスするファイナンシャルプランナーたちの間でも、新NISAの評判は悪い。投資経験者による短期売買をしにくくするように2段構えにした狙いは理解できるが、初心者には分かりにくい制度になってしまったといえよう。1階部分に当てはまる投信の選定は、これから金融庁と証券業界が決めていく予定だが、その線引きのルールも決めていかなくてはならない。

 「貯蓄から投資へ」の流れを進めることそのものは間違ってはいない。そのためにもNISAにかかる期待は大きい。新NISAをいかに分かりやすく説明していくかが、これまで以上に必要になってくる。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

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