「ドコモの新料金プランは市場に一定のインパクトがあると思うが、サービスの全容が分からないのでコメントは控えたい。民間事業者間の競争として、au、UQモバイルなど複数のブランドを使い、いろいろな工夫をしていきたい」
12月9日に開かれたKDDIの新サービス発表会。3日にNTTドコモが月20ギガバイト(ギガは10億)で2980円(税別。以下同)の新料金プラン「アハモ」を発表したことについて問われたKDDIの東海林崇副社長は、慎重な言い回しに終始した(関連記事:ドコモの新料金プラン「ahamo」について知っておくべき10のこと)。

この日KDDIが発表したのは、米アマゾン・ドット・コムの「Amazonプライム」と、KDDIとテレビ朝日の共同出資会社が手掛ける動画配信サービス「TELASA(テラサ)」を、auの容量無制限プランに組み合わせた月額9350円の新プラン。通常の容量無制限プランに700円を追加した金額で、アマゾンの動画や音楽配信、ECの速達宅配サービスなどが利用できる。Amazonプライムの料金は月額500円(税込み)、テラサは同562円なので、別々に契約するよりも400円ほど安くなるとうたう。
KDDIは3月に動画配信サービス「ネットフリックス」とのセットプランを出し、6月には「アップルミュージック」など複数のコンテンツ配信サービスとのセットプラン、10月には国内の民放テレビ局の動画配信サービスとのセットプランを追加してきた。KDDIの高橋誠社長は「auは次世代通信規格『5G』ならではの体験価値を重視し、料金だけでなく付帯サービスを充実させる」と話し、5Gサービスの利用者をさらに増やそうと意気込む。
ただ、3日にドコモが新料金プランを発表したことで、KDDIが何らかの対抗策を打ち出してくるのではないかとの期待があったのも事実だ。
KDDIは「主力のauは5Gサービスの普及に注力し、安価な料金を求めるニーズには(サブブランドの)UQモバイルでシンプルな料金プランを提供する」(高橋氏)というマルチブランド戦略を採る。政府の値下げ要請を受けた毎月の通信量が20ギガバイトのプランは、サブブランドのUQモバイルに設定した。ところが、武田良太総務相は「メインブランドでの値下げでなければ利用者の実感が湧かない」として批判のトーンを強めている。
それでもKDDIには、auブランドでの値下げには簡単には応じられない理由がある。
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