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 1人焼肉専門店「焼肉ライク」などを展開する外食チェーン、ダイニングイノベーションは12月4日、横浜市青葉区に6日オープンするすしチェーン「寿司 あおい」を報道陣に公開した。

 同店はダイニングイノベーション初のすし業態。事業責任者として、外食チェーンRDCグループで回転ずし「がってん寿司」の事業会社の社長も歴任した丸山晃執行役員が指揮を執っている。

ダイニングイノベーションが手がけるすし店「寿司 あおい」の店内
「寿司 あおい」の事業責任者を務めるダイニングイノベーションの丸山晃執行役員

 狙うのは「回転ずしよりも職人感と本物感があり、カジュアルな立ち位置のすし屋」だという。すしは1貫当たり50円から600円と安めに設定しつつも、「その日に豊洲市場から仕入れたネタの質は銀座のすし店とそん色ない」(丸山氏)。例えばウニであれば、1貫当たり銀座の5分の1の価格(300円)で提供できるという。

 これまでダイニングイノベーションは1人で来店する「おひとり様」をターゲットとしてきたが、今回のすし店の想定顧客は女性の1人客からファミリー層と幅広い。客単価はランチで1350円、ディナーは3500円で、会社員の接待客や宴席、法事など回転ずし業態ではこれまでカバーしきれていなかった「高級すしと回転ずしの中間層」を取り込む考えだ。

 ただ、こうした「低価格から中価格帯で高品質」をうたう店がこれまでもなかったわけではない。関東では「すしざんまい」などがその代表例だろう。

 しかし、丸山氏は「これまでの『カジュアルなすし店』はすし職人の人件費が大きく、都心駅前の一等地という売り上げ規模の大きい場所しか出店できていない。うちは人件費を抑え、郊外駅から徒歩5~10分ほどの立地に出店する。店舗の家賃も抑えることができるので、低価格で多店舗展開ができる」と他店との違いを強調する。

 出店に当たっては商圏の就業人口や、競合店の有無、すしのニーズが高い50歳以上人口など10前後の評価基準を基に、競合店の比較的少ない郊外駅近くで出店を進めていく。ロードサイドの出店が多い回転ずしとの競合を避け、独自路線を貫く方針だ。首都圏を中心に5年以内に直営店20、FC(フランチャイズ)店80の計100店の展開を目指す。

 今回オープンする横浜市の店舗でも、熟練のすし職人は1人だけ。残りは5日間の研修を受けた学生アルバイトらが調理を担当するという。「銀座はネタの良さもあるが、職人さんの歴史と腕が価格に含まれる。うちは技術は劣るが、ネタは一級で値段も安い。コスパを重視している」と丸山氏は語る。

 富士経済の調査によると、2018年の回転ずし市場は6461億円だったが、19年は前年比3.7%増の6698憶円となる見込み。「居心地の良さや、回転ずしにはない立地条件、店舗面積で新たな市場を開拓する。回転ずしの既存客も奪うことができると思う」と丸山氏は自信を見せる。「1人焼肉」という新たなジャンルを生み出したダイニングイノベーションは、すしでも新たな市場を開拓できるだろうか。

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