11月26日に投開票が行われた台湾統一地方選。投票日前の数日、たまたま台湾を訪れる機会があった。選挙期間中はとてもにぎやかだ。街は立候補者の看板やポスターであふれかえる。投票率は常に6~7割で国民の関心も高い。

 4年に1度実施される統一地方選は、2024年1月予定の次期総統選の前哨戦と位置付けられている。台北市など全22県市の首長のほか、地方議員など約1万1000人を選出する。

台湾住民にとって選挙は一大イベントだ(写真=AP/アフロ)
台湾住民にとって選挙は一大イベントだ(写真=AP/アフロ)

 結果は蔡英文(ツァイ・インウェン)総統率いる与党・民主進歩党(民進党)が、台北市など主要都市の首長ポストを落として大敗した。蔡氏は「責任はすべて私にある」と述べ、党主席辞任を表明した。

 民進党は台湾独立志向が強く、対中強硬路線で知られる。従ってこの結果は、蔡政権の強硬姿勢に民意がノーを突き付けたとも見える。

 だがそう捉えるのは早計だろう。民進党は今回の選挙の戦い方を大きく誤ったと思えるからだ。

 今回民進党は「抗中保台(中国に屈せず台湾を守る)」のスローガンを掲げ外交問題を争点にした。だが地方選で重要なのはやはり内政問題だ。

 台湾は新型コロナウイルス禍当初こそ感染封じ込めに成功したものの、今年に入ってからの感染者増加、ワクチン確保の遅れに住民は不満を持っていた。また前回の総統選で蔡氏を支持した若年層は、物価高や低賃金問題に解決策を見いだせない与党に落胆している。痛みを伴う年金改革で、公務員などの支持を失ったことも影響した。

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