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NECは11月30日、2021年4月1日付の社長交代を発表した。次期社長に就くのは、入社以来、幾つものM&A(合併・買収)案件に携わってきた森田隆之副社長兼CFO(最高財務責任者)。経理、財務畑を経験していないが、18年にCFOに就任した。「攻めのCFO」。新野隆社長兼CEOは森田氏をそう呼ぶ。

新野社長(左)とともに会見した森田氏は大阪府出身。1983年に東大法学部を出てNECに入社し、2016年に取締役執行役員常務、18年に代表取締役執行役員副社長兼CFOに就いた。会見では「M&Aは事業を進める上でのツールのひとつ。特殊なものではない」と語った。

 「経理財務畑でないところからCFOになった初めての人。実行力がある『攻めのCFO』だ」

 オンラインで開かれたトップ交代の会見で、新野隆社長は森田氏をこう紹介した。新野社長は代表権のある副会長に就き、遠藤信博会長は続投する。

 森田氏が会社人生で主に手掛けてきたのは、国内外の企業を相手にしたM&A。1983年に入社し、5年目に赴任した米国でNEC初となる大型買収に携わり、帰国後はM&Aを手掛ける組織の立ち上げに関わってトップにも就いた。これまで、半導体事業のルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)への統合や、国内トップシェアだったパソコン事業における中国レノボ・グループとの合弁会社設立などで手腕を発揮してきた。

多くのM&Aで手腕

 そんな経験が豊富な森田氏に、2018年に与えられたポジションがCFOだった。CFOは経理や財務の経験者が登用されるのが常識だった。しかし、NECでは、16年に就任した新野社長の下、過去の慣習にとらわれない人事配置を推進する改革を断行。元日本GE社長の熊谷昭彦氏や、日本マイクロソフトに在籍していた佐藤千佳氏らを招き、それぞれ副社長とカルチャー変革本部長兼人材組織開発部長に就かせる外部人材の積極採用と同時に、社内では横断的な人事を進めた。

 例えば、森田氏がCFOに、経営企画畑の松倉肇取締役がCHRO(最高人事責任者)に就くといった人事を実行してきた。自分の専門分野だけでなく、より幅広い視点を経営陣に持たせるためだ。