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ロボットによる自動化を進めEVなど多様なパワートレーンに対応する

 日産自動車は28日、次世代のクルマづくりのコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」を発表し、およそ6年間かけて開発した新たな生産技術を明らかにした。今後、電動車や自動運転車では求められるシステムが高度になる上、その組み合わせも複雑になる。坂本秀行副社長は「生産工場の難易度が上がっていく。生産管理システムの技術が重要になる」と語り、ロボットを活用した新たな生産方式に自信を見せた。

 新生産技術の目玉の一つが「パワートレイン一括搭載システム」だ。これまで手作業で行っていたエンジンやバッテリーの組み付け作業を、全自動化するというもの。電気自動車(EV)やガソリン車など異なるパワートレインの車を、一つのラインで混流生産することができる。

 フロント、センター、リアの3つのパートに分かれたパレットの上に必要な部品をあらかじめ装着しておけば、ロボットがパレットを持ち上げ0.05ミリの精度で自動的に車体へ組み付けるという仕組みだ。

 パレットの上には、EVやハイブリッド車(HV)、ガソリン車のいずれのパワートレインも載せることができる。同じEVでもモデルによってバッテリーのサイズが変わってくる。大きさの違うバッテリーや異なる形状のサスペンションなど、3つのパレットがそれぞれ3種類の組み付けモジュールに対応。そのため同一ライン上で、27通りの組み合わせで生産できるという。

 今回発表した新生産技術は、2020年に約330億円を投じて栃木工場に導入する。順次グローバルに展開するとしているが、「九州や海外の工場は稼働率が高く、導入のために生産を止めることはできない。どうやって入れていくか作戦が難しい」(坂本副社長)という。

 日産はこれまで、他社に先駆けてEV「リーフ」を展開。今年3月にはグローバルでの累計販売台数が40万台を超えた。説明会では「EV専用の生産システムの方が、生産効率は高まるのでは」という指摘に、「専用の生産システムを開発するほどには、まだEVを量産するめどがたっていないというのが現状」と内情を漏らした。

 一方、独フォルクスワーゲン(VW)は20年にドイツ東部にある工場でガソリン車やディーゼル車の生産をやめ、EV専用工場に転換する。欧州や中国などEVの普及が先行するとみられる地域では、EV専用工場を立ち上げる動きも出始めている。

 日本車メーカーもEVの量産モデルの投入が本格化するなか、生産体制をどう整えるかという課題にも直面していく。大変革の「端境期」を乗り越えるバランス感覚が求められている。

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