中古携帯販売店の認証制度を発表するリユースモバイル・ジャパンの粟津浜一会長

 中古携帯端末の販売業者でつくる「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」と、端末の修理業者やメーカーなどで構成する「携帯端末登録修理協議会」は11月28日、日本の中古スマートフォン市場の活性化に向けた新たな施策を発表した。中古端末の品質を適正評価するための業界統一ガイドラインの改定と、中古端末販売業者を対象にした認証制度の設置が目玉。いずれの施策も、消費者が中古端末を安心して売ったり買ったりできる環境を整えて流通促進につなげるのが狙いだ。

 RMJが初めて業界統一ガイドライン「リユースモバイルガイドライン」を公表したのは2019年3月。外装の傷や汚れ具合など品質に関する業界統一のランクを設け、端末からの確実なデータ消去方法についても業界内に周知徹底した。今回の改定版では、さらに「消費者が中古端末に対して一番不安に感じている」(RMJ代表理事企業である携帯市場の粟津浜一社長)バッテリーの消耗具合を確認し、その結果を店頭や販売サイトで表示するよう中古業者に求めている。

 また改定版では、購入した中古端末が突然使えなくなる「赤ロム化」と呼ばれるケースについても、初期不良への対応などとは別に保証をつけるよう推奨している。赤ロム化は、端末の元の所有者による端末の割賦代金の不払いや盗難の疑いが生じて携帯電話会社が通信規制をかけることで生じる。

 認証制度はリユースモバイルガイドラインを順守しているか中古スマホ販売業者を審査し、認証マークを発行するものだ。審査にあたっては業者の直営店舗などを実地調査し、外部有識者を中心に構成する審査委員会で承認するか判断する仕組みだ。

 RMJはゲオやブックオフコーポレーションなどが2017年3月に設立した業界団体。今回ガイドラインを改定し認証制度を設けたのは、政府の後押しもあって中古スマホ市場がいよいよ活性化するとみているからだ。

 例えば、スマホを特定の携帯会社の契約でしか使えないようにする「SIMロック」については、総務省が11月22日、即時解除に応じるよう携帯各社に義務付けた。端末の割賦代金をクレジットカードで支払うなど条件を満たせば、端末購入時に無料で解除してもらえるようになる。

 これまで日本では不要になったスマホを業者に販売する消費者が少なく、流通量が増えにくい状況が続いてきた。SIMロックが解除された「SIMロックフリー」と呼ばれる端末は、SIMロックがかかった端末に比べ「(中古の場合で)市場価格が3000円から1万円高い」(携帯市場の粟津社長)という。その分、買い取り価格も上がるので、端末を業者に販売する消費者も増えるとみている。

 従来の国内携帯電話市場では、大手携帯会社が通信契約やいわゆる「2年縛り」を条件に、価格の高い最新スマホを大幅に値引いて販売する商習慣が長らく続いてきた。ただ携帯大手は値引きのコストを通信料金の形で契約者全体から広く浅く回収しており、それが「料金の高止まりにつながっている」と政府は問題視。今年10月に施行された改正電気通信事業法では2年縛りの事実上の無力化や端末の大幅値引きを禁じている。さらにRMJなどの思惑通りに中古端末の流通量が増えていけば、日本の携帯電話販売のあり方が着実に変化していきそうだ。

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