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 11月22日にオープンした大丸梅田店の新しい売り場が、女性スタッフが任意で着用する「生理バッジ」を導入し、議論を呼んでいる。

 この売り場は「女性のリズムに寄り添う」ことをコンセプトにした「ミチカケ(michikake)」。生理用品、化粧品、下着など女性用品を販売する17店舗が並ぶ。バッジには、生理をテーマにした小山健さんの漫画「ツキイチ! 生理ちゃん」のキャラクターが描かれており、着けるか否かはスタッフ個人の判断に委ねられている。

 この試みに対して「女性のデリケートな悩みを聞きやすい売り場になる」という肯定的な意見がある一方、「どうして生理中ということを他人に知らせないといけないのか」など反対意見も噴出している。

 生理バッジ着用の議論は尽きないが、注目したいのは自分の状態などを知らせるメッセージ性のあるバッジやステッカーがひそかに人気を呼んでいることだ。

 これまで、妊娠中であることを知らせる「マタニティーバッジ」や、貧困や環境など国際連合の指針「持続可能な開発目標(SDGs)」問題に取り組む姿勢を示す「SDGsバッジ」などがあった。最近では、よりカジュアルな形でスマートフォン、パソコン、バッグなど身近な持ち物にメッセージ性を込めたバッジやステッカーをつける人が増えている。

 バッジ、ステッカーなどを製作・販売し、国内で7店舗を展開するB-SIDE LABEL(大阪市中央区)の担当者は次のように話す。「言いたいけどなかなか言えないことや、主張することが苦手だと思っている方向けに、誰でも手軽に身につけ、メッセージを伝えることができるステッカーやバッジを15年以上作っており、広く受け入れられています。特にメッセージ性のあるものが人気で、中でも弊社のデザイナー『シウチトモミ』の、女性がなかなか言えない悩みや思い、メッセージを込めたデザインが幅広い共感を得て受け入れられています」

 シウチトモミさんがデザインしたステッカーには、イラストと共にこのような言葉がつづられている。

 「充電してください。」
 「さらば、純情。」
 「この世界はちょっと、息苦しい。」
 「あの日死ねなかった、二十八歳のロックンロール」

(写真:©2019 株式会社B-SIDE LABEL)

 B-SIDE LABELではほかにも「KIDS IN CAR」「夜行性。」「潔癖症です。」「麦酒狂」「自分ヲ1番スキな人がスキ」などメッセージ性のあるバッジやステッカーを数多く製作しており、人気を集めているという。

 B-SIDE LABELは、ステッカーやバッジについて「貼る(つける)ことでもっとも身近なアートを表現できるものだ」という理念を持つ。所属するデザイナー二十数人が様々な作品を創出しているが、「ギャグ、キャラクター、世情を映したものなど、表現に制限はない。ハードルの高いアートではなく、誰もが気楽に見て楽しめるものを創作することを第一にしている」という。全てのステッカーには「B-SIDE LABEL」が明示してあり、例えば、デザインに合わせて「美衣済度礼辺流(B-SIDE LABELの読みと同じ)」と漢字で記したユニークな商品もある。

 メッセージ性のある商品が人気を集めるのは、閉塞感がある社会の中で気軽な形で他人や世間に自分の状態や意思を伝えたいという人々の欲求があるのかもしれない。もちろん、「バッジ、ステッカーの表現=本人がメッセージとして出したいもの」とは限らない。しかし、それを身につけていれば、お互いを知ろうとする会話の話題の一つにはなるかもしれない。

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