「空気清浄機と呼べる唯一のエアコン。新規商品として位置付けている」。シャープのSmart Appliances&Solutions事業本部の中島光雄副本部長は、年末商戦に投入するエアコンに自信をのぞかせた。

シャープのエアコン新商品「Airest(エアレスト)」。「空気清浄機と呼べる、唯一のエアコン」をうたう

 シャープは11月26日、空気清浄機の基準をクリアしたエアコン「Airest(エアレスト)」を発表した。12月19日に発売し、市場想定価格は22万円前後から。空気清浄機能を強化することで、エアコン商戦時期の夏や冬だけでなく、花粉のシーズンなど通年使える商品として訴求していく。

 新商品の特徴は「集じん効率70%以上、騒音値55dB以下」という日本電機工業会(JEMA)が規定する空気清浄機の基準(JEM1467)をクリアした点。これまで空気清浄機能をうたうエアコンは数多くあったが、「空気清浄機」としての基準を満たすのは今回が初めてという。

 空気の吸い込み口のすべてを集じんフィルターで覆うことで、ホコリや菌の捕集機能を高めた。ただフィルターを全面で覆うと風量が低下してしまう。そこで、空気清浄機や換気扇で使われる吸引性能に優れた「シロッコファン」をエアコン向けに応用し、風量の低下を抑えたという。「長いかもしれないが4年近くかかった。エアコンと空気清浄機、両方のエンジニアの力が融合することで実現した」と中島副本部長は語る。

新製品(写真上)は「シロッコファン」を搭載したのが特徴だ

 空調家電の戦略商品として並々ならぬ意欲を見せるシャープ。ただ懸念材料もある。

 1つが高いシェアを握る同社の既存の空気清浄機とのカニバリ(共食い)だ。これについて中島副本部長は「空気清浄機の国内普及率は5割以下。9割を超えるエアコンに空気清浄機能を付けたことで、空気清浄機市場を活性化できる」と前向きに捉える。

 もう1つが市場の冷え込みだ。消費増税を受けて足元のエアコンの販売状況は厳しい。JEMAによるとエアコンの10月の販売台数は前年同期比で約14%減った。中島副本部長も「足元は結構苦戦している。前年同期比で7割程度だ」と認める。

 一方で「増税後の反動減は3カ月程度続く。あと1カ月の我慢」と中島副本部長は続ける。まさにそのタイミングで投入される今回の新商品は、通年販売だけでなく、年末商戦の起爆剤としての役割を担うことになる。

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