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 JR東日本は11月21日、東京駅構内にシェアオフィス「STATION DESK(ステーションデスク)東京丸の内」を開業した。同社は19年8月から東京、新宿、池袋、立川の都内4駅で電話ボックスタイプのシェアオフィスを手がけてきた。1室に多数の座席を備えたものは今回が初めて。ターミナル駅の改札近くという抜群の立地で、今後も首都圏を中心に展開を検討する。

事務室を改装して設置された東京駅構内のシェアオフィス。6タイプ16席を設けた

 ステーションデスクは東京駅丸の内地下南改札近くの動輪広場に通じる地下通路の一室を改装して設置した。面積は約50m2で、16席を用意している。全席に机やコンセントがあり、ドアがある個室タイプや、左右のみが仕切られたタイプなど6パターンを設けた。営業時間は午前7時30分~午後9時で、料金は15分250円(キャンペーン期間中は15分150円、いずれも税別)。利用には個人または法人として会員登録をしたうえで事前予約が必要で、駅を利用するビジネスパーソンや訪日外国人などの利用を狙う。

 「優位性は何といっても立地」。JR東日本事業創造本部の中島悠輝主席は駅ナカのシェアオフィスの強みについてはこう話す。ステーションデスクは最寄りの改札から約70mの場所にあり、徒歩40秒ほどで到着できる。鉄道利用者の移動のわずかな空き時間でも利用可能で、ライバルである駅周辺の他社のシェアオフィスよりも有利と言える。また、同じく駅ナカにあるカフェとも競合関係になるが、1人で作業に集中できるスペースにすることで差別化を図っている。

 JR東は今後も使わなくなった事務所や空き店舗を活用して、首都圏を中心に電話ボックスタイプと合わせて2020年度末までに30拠点のシェアオフィス整備を目指す。だが、中島主席は「開発余地はそれほどあるわけではない」と説明する。

 駅ナカのスペースには限りがあり、いくらシェアオフィスの競争力が高いと言っても、広いスペースを確保するのは困難なのだという。今回オープンしたシェアオフィスも机や椅子を詰め込んで16席を確保しているが、手狭で席数も豊富とは言い難い。このスペースはもともとJR東が事務室として使っていたもので、シェアオフィス整備を検討する際に組織改編や勤務先の調整で「たまたま」空いたものなのだという。

 今後、拠点を拡大するに当たっても、シェアオフィスのニーズが高い乗降人数の多い駅では、スペースの確保が課題になる。単に空きが出にくいという理由だけではなく、スペースがあったとしても「駅環境の最適化」を考える中で、例えばコンビニなどの店舗が必要とされるケースもあるという。

 8月から4駅で導入した電話ボックスタイプは稼働率は3割程度だという。ただ、日中の時間帯は利用が相次いでいるといい、登録会員も増加傾向にあるという。利用者の隙間時間をいかに取り込むかとともに、隙間スペースを巡る内部での「椅子取りゲーム」の行方も今後の展開の鍵を握ってきそうだ。

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