全1797文字

 11月22日は「いい夫婦の日」だ。夫婦のあり方は時代とともに変わるものだが、ここ数年間で最も大きな変化が女性の社会進出、すなわち妻の就労の増加だろう。内閣府の2018年版「男女共同参画白書」によると、2017年の共働き世帯数は1188万世帯。専業主婦世帯は641万世帯と、その差は年々広がっている。共働きは今や、当たり前といってもよい。

 リクルートはいい夫婦の日を前に、共働き夫婦の家事育児分担に関するリポート「週5日勤務の共働き夫婦 家事育児 実態調査2019」を発表している。リポートでは、共働き世帯の中でも男女ともにフルタイム勤務もしくはそれに近い働き方をしている夫婦1039組を対象に、外で働く女性が増えたことで家庭内の男女の役割分担がどう変わったか、調査結果をまとめている。

 これによると「仕事と家事育児を両立したいと思っているが、できていないと感じている夫は5割を超える」「家事育児の実施割合は妻が7割、夫が3割」と、やる気はあるものの、実際は思うように家事育児に参加できていない夫の姿が浮かび上がっている。共働き夫婦でよく聞く悩みは「夫が家事育児に協力的でない」というものだが、この調査を見る限り、やる気はそれなりにあることがうかがえる。では、協力できないのはなぜか。

 同調査では、子育てしやすい職場環境かどうかについても聞いている。妻側は「子供の発熱など急な用事が入った時に仕事を休みやすい」が61%、「仕事と子育ての両立に対して社内関係者の理解がある」が57%とポジティブな回答だったが、夫側の回答はいずれも26%と低かった。男性のほうが、子育てに対する周囲の理解が得られにくく、そのことが家庭での協力不足につながっているともいえる。

 また家事育児について「相談する相手はいない」と答えた夫が3割に上るなど、家事育児に積極的に参加したい男性は、多くの女性よりも「孤独」な状態にあることも分かった。これでは、家事育児について分からないことも聞けないし、がんばろうと決心しても「同士」が周りにいないので、モチベーションが続かない。

円満夫婦もそうでない夫婦も分担割合は大きく変わらず

 家では妻から「家事育児にもっと参加してほしい」と言われ、職場では肩身の狭い思いをする──。残念だがこれが、現代の「イクメン」の実像なのではないだろうか。

 しかし、失望するのは早い。同調査では「夫婦のどちらか、もしくは夫婦共に不満がある家庭」と「夫婦共に不満がない家庭」の家事育児の分担割合に差がないことが明らかにされている。不満がある家庭では、妻が70%、夫が29%の分担割合だったが、お互い不満がない家庭でも同65%、34%とほとんど差がない。つまり、夫が家事育児にそれほど参加していなくても、妻から不平不満を言われない家庭も現に存在しているのだ。ちなみに、同調査におけるお互い不満を持たない家庭の割合は全体の約4割だった。

 では、何が夫婦の関係を良好にしているのだろうか。調査では、円満夫婦は「パートナーの仕事について理解度が高い」傾向があることが明らかになっている。妻もしくは夫の「仕事の内容」「仕事の愚痴」「今後のキャリア」などに対する理解度は、円満夫婦の方が不満を持っている夫婦よりも高い。逆に、不満のある夫婦ほど、結婚後、パートナーの仕事に対する関心が薄れていることも分かった。

 時間に余裕がない共働き夫婦は、とかく自分の都合を相手に押し付けてしまいがちだ。だがそんなとき、少しでも相手の仕事の状況を把握したり、話を聞いたりするなど、分かり合う姿勢を見せることで、事態は多少なりとも改善されるのかもしれない。パートナーがどういう思いで今の仕事を続けているのか、何を犠牲にして家事育児の時間を捻出しているのか、考えたことはあるだろうか。

 お互いを思いやる姿勢こそが夫婦円満のカギであることは、今も昔も変わらない。女性が一定以上の時間を外での仕事に費やすことが当たり前となった今、妻の仕事やキャリア、働き方を夫がどれだけ理解しているかが、ますます重要になっている。

タグ「1分解説」をフォローしませんか

旬の話題やニュースを分かりやすく手短に解説。フォロー機能を設定すると、「1分解説」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#1分解説」でフォロー機能を設定できます。