全1557文字
11月22日に建て替え工事を終えて開業する渋谷パルコ

 パルコは11月22日、旗艦店「渋谷パルコ」(東京・渋谷)を再開業する。2016年8月の休業以来、3年3カ月をかけて建て替え工事を進めてきた。感度が高い若者が集うファッションビルとして知られた渋谷パルコだが、新たなターゲットは「ノンエイジ、ジェンダーレス、コスモポリタン」だ。

 「1969年に池袋でパルコを開業して50年、パルコの第2章が始まる」。11月19日に開いた報道向けの内覧会で、牧山浩三社長は高らかに宣言した。

 第1章が若者文化の発信地として成長してきた歴史だとすれば、第2章は「(現代の)若者文化だけでなく、(かつて若者文化を引っ張った人たちが)次世代に引き継ぐ場ともなることで、客層は広がる」(牧山社長)。幅広い消費者を呼び込もうと、ファッションだけでなく芸術やサブカルチャー、テクノロジーなど様々な要素をビル内に詰め込んだ。

 施設の顔となる1階に、その多様さが表れている。グッチやロエベといったラグジュアリーブランドとともに、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」の初めてのショールームが入居した。クラウドファンディングは、個人や企業が独自の商品やサービスを生み出すために資金を募るサイトだ。ショールームには、サイトで人気の高い商品を並べ、来店客が気に入ればサイトで購入できる仕組みだ。

クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」が初めて設けたショールーム

 また、売り場に設置した8つのAI(人工知能)搭載カメラを使って来店客の性別や年齢層、動線、滞留時間を分析、マーケティングに生かす。パルコ側から「他の商業施設との差別化のために」と誘いがかかり、試験的にリアル店舗を開くことを決めたが、CAMPFIREの担当者は「まさか1階に入居できるとは思わなかった」と話す。

 飲食フロアも様々なカテゴリーが混じり合う。コンセプトを「カオス(混乱)」とした地下1階には、日本酒、串カツ、純喫茶、昆虫料理など雑多なカテゴリーの飲食店が、あえて複雑になるよう設計した通路に配置されている。一方で7階には、すしやてんぷら、ジンギスカン、焼き肉など訪日外国人が好みそうな「王道」の店舗を誘致した。