(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
 

 コンビニ大手ファミリーマートは11月14日、来年3月にフランチャイズ加盟店との営業時間の取り決めを変更し、加盟店が時短営業(夜間休業)を選択できるようにする方針を発表した。フランチャイズ本部との協議は必要だが、最終的には加盟店側の判断で「毎日時短営業」か「日曜日のみ時短営業」のどちらかを選べるようになる。

 同社は現在、24時間営業を実施する大多数の店に対し月10万円の「24時間営業分担金」を支給している。毎日時短営業を選択した加盟店はこの支給を受けられなくなるが、日曜日のみの時短営業であれば日割り計算で引き続き支払われる。また、同社は支給額を月12万円(24時間営業の場合)に増やす計画だ。

ファミリーマートの澤田貴司社長(中央)は11月14日に会見を開き、加盟店の時短営業の拡大や本部での希望退職者の募集などの方針を明らかにした
ファミリーマートの澤田貴司社長(中央)は11月14日に会見を開き、加盟店の時短営業の拡大や本部での希望退職者の募集などの方針を明らかにした
 

 加盟店オーナーは24時間営業分担金に加え、自分の店の売り上げや人件費、近隣の競合店の動きなどを総合的に考慮して、時短営業をするかどうか判断することになる。本部側は6月から続けている時短営業の実証実験のデータなどを提供して加盟店の相談に応じるという。コンビニ業界には従来、「深夜に休業すると昼間の売り上げも落ち、結果的にオーナーに残る利益が減る」という定説があったが、ファミリーマートの実証実験では深夜休業によってオーナーの利益が増えるケースも確認されている。

 コンビニのビジネスモデルの根幹だった24時間営業の原則が崩れ始めているのは確かだ。以前から希望する店に時短営業を認めてきたローソンでは、時短営業店舗が今年2月末の40店から、10月末には118店にまで増えた。セブン-イレブン・ジャパンは11月1日に全国の加盟店に時短営業のガイドラインを配布し、時短営業を認める条件などを通達した。同チェーンでは約230店が時短営業の実験中で、11月1日からは8店舗が正式に時短営業を開始している。

 ファミリーマートが6月に実施した加盟店向けアンケートによれば、全国約1万5000店のうち約半数の店舗が時短営業を「検討したい」と回答している。セブンイレブンの7月のアンケートでは、全国約2万店のうち15%程度が時短営業を「希望する」と答えた。同じ商圏に競合店舗がある多くのコンビニにとって時短営業の判断は容易ではないが、大手3社が時短営業に対する姿勢を明らかにしたことで、今後はチェーンを超えて地域単位で時短営業が拡大する可能性がある。

 コンビニの行く末を占う上で見逃せないのが、ファミリーマートが時短営業の方針と併せて発表した本部の構造改革だ。来年2月までに全社員の1割ほどに当たる800人の希望退職者を募集する。対象となるのは原則40歳以上の社員だ。

 同社の澤田貴司社長は地方ごとの「エリア本部」への権限委譲を進めており、地域に密着した経営指導や商品開発を重要視している。日経ビジネスによる今年5月のインタビューでは、「ジェネラリストは経営陣だけでいい。本社で大量採用し、スーパーバイザー(店舗経営指導員)を育てて全国に送るという時代は終わった」と語っている。今年300人ほどだった新卒採用を、来春は100人程度に削減する方針も示している。

 大手3社の単体従業員数は、現在それぞれ約4500~9000人。1年あたり数百店規模で店舗数を増やし、多数の本部社員が全国をカバーして一律で店を指導してきたが、そのような時代は終わりつつある。チェーン本部は大量出店を抑える一方、加盟店の人手不足を補う省人化技術や、売り上げに寄与する商品・店舗レイアウトの開発に力を入れている。加盟店を取り巻く状況変化に対応するため、各チェーンの本部の役割にも変化が生じつつある。この変化にいかに対応していくかが今後の焦点になりそうだ。

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