セキュリティーの不備が見つかり、開始から3カ月足らずでサービス終了に追い込まれたセブン&アイ・ホールディングスの「7pay」。顧客への払い戻しなど、いまだ対応に追われる中、新たな金融サービスを投入する。

 セブン&アイが手がける電子マネー「nanaco」でたまるポイントで投資できるサービスが11月14日から始まった。出資先企業の一つでおつり投資サービス「トラノコ」を手がけるTORANOTEC(トラノテック、東京・港)との協業で実現した。nanaco番号をトラノコに登録すると、nanacoポイント数が自動的に表示される。最低5ポイントから、1ポイント=1円で投資が可能になる仕組みだ。

nanacoでたまるポイントを投資に回す(写真:共同通信)
nanacoでたまるポイントを投資に回す(写真:共同通信)

 おまけとして付与されるポイントを使った投資サービスは「ポイント運用」と「ポイント投資」の大きく2つに分けられる。一般的に「ポイント運用」はポイントを使って投資を疑似体験できるサービスで、「ポイント投資」はポイントを現金化して実際の金融商品を購入できるサービス。セブン&アイが新たに始めるのはポイント投資サービスとなる。

 7payで大きくつまずいたセブン&アイだが、金融事業への意欲は依然として衰えていない。今年5月にはレスキュー損害保険に出資し、保険領域へと歩を進めた。セブン&アイとして国内事業を成長させるには、事業領域の拡大が必須。6740万人に達しているnanacoの顧客基盤をベースに、若年層で、かつ投資に対してアクティブな層を開拓できれば、新たな金融商品の提案などの事業の拡大も期待できる。既存事業との相乗効果を期待できる金融事業は、セブン&アイにとってそう簡単に諦められるものではないようだ。

 ポイント大国の日本にとって、ポイントを活用した投資の広がりは官民ともに期待を寄せる。金融庁は令和元事務年度における金融行政の方針の重点施策の中で、「デジタルチャネルの活用やポイント・おつり投資を通じた投資のきっかけ作りなど、広範な層に対する多角的アプローチ」を掲げた。証券口座の開設、資産運用の開始という2つの大きな壁を乗り越えるためには、心理的ハードルをどこまで下げられるかが重要だ。

 「貯蓄から投資へ」。政府が長く掲げてきたスローガンだが、実際のところ投資のすそ野は広がりを見せていない。消費時に付与されるポイントをうまく活用した「消費から投資へ」の流れをどこまで作り出せるかにかかっている。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
※第2回は詳細が決まり次第ご案内します。

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