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 コロナ禍でアパレル業界の業績が大幅に悪化している。ワールドは2020年4〜9月期に110億円の最終赤字、オンワードホールディングス(HD)は20年3〜8月期に151億円、TSIホールディングスが同144億円、三陽商会が同66億円の最終赤字だった。特に百貨店における販売は回復の兆しが見えず、日本百貨店協会によると全国の百貨店での9月の衣料品販売額は前年同月比38%減だった。

 そんな苦境の中、既存の販売方法からの転換を図る動きがある。その一つが「ショールーミング型」の店舗だ。

 三陽商会は10月下旬に大丸東京店でショールーミング型店舗「サンヨーフィッティングストア(SANYO Fitting Store)」を期間限定で開設した。1店舗1ブランドという通常の店舗とは違い、「サンヨーコート」と「S.ESSENTIALS」の2ブランドで1つの店舗を構成している。

大丸東京店の「サンヨーフィッティングストア(SANYO Fitting Store)」。三陽商会は再生プランの中で新しい販売手法の模索を掲げている

 この店舗では、顧客は店を訪れて試着し、気に入った商品があれば支払いを済ませる。商品は後日、自宅に配送されてくる仕組みだ。サイズを確かめて購入できる上に、商品を持って帰る必要がないという点が顧客にとってのメリットになる。「ECによる購入は広がっているが、価格が高いコートなどは、サイズだけは店舗で確かめたいという要望が多い」(三陽商会)という。いわば、リアル店舗とECのハイブリッド型といえる。

人員も削減、姿勢診断サービスも

 三陽商会にとっては、店舗在庫が不要になるメリットがある。従来の店舗では、店頭商品の2~3倍の商品をバックヤードに用意しておく必要があった。しかし、ショールーミング型であれば商品がそれぞれ1点だけあればいい。「サンプル品だけで済むのであれば、在庫置き場を確保できない狭い店舗でも展開できるかもしれない」と期待を寄せる。さらに、在庫管理が不要であれば、販売員が接客にのみ集中できるため、人件費の削減にもつながる。

 この店では、3D解析技術などを専門にするスタートアップ、サピート(東京・文京)が提供する姿勢診断サービスも無料で受けられるようにした。「着こなしに姿勢は重要。コロナ禍でお客様が来店を控える中、あえて店舗に来てもらえるよう付加価値を付けていきたい」と三陽商会の担当者は話す。

 三陽商会は東京・原宿の店舗で別の試みも始める。販売員がリアルタイムで実演しながらネットで接客する「ライブコマース」である。