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 東芝は11月13日、上場子会社3社をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社にすると発表した。上場子会社を含め、子会社再編に動く日立製作所の背中を追いかけるような東芝の動き。今後の焦点は上場子会社で残るPOSレジ大手、東芝テックの扱いだ。

経営計画の進捗を説明する東芝の車谷暢昭会長兼CEO(13日、東京・港)

 設備工事の東芝プラントシステム、半導体製造装置のニューフレアテクノロジー、船舶用や産業用電機の西芝電機の3社を完全子会社にする。上場会社が他の上場会社の原則、過半の株式を保有する親子上場については、子会社の少数株主との利益相反が起きやすいとして投資家の批判が高まっていた。

 上場3社の完全子会社化には、「少数株主持ち分」として外部に流出していた利益などを取り込み、連結業績を改善する狙いもある。

 実は日経ビジネスは2019年1月21日号特集「2019年M&A大予測 武田、日立に続くのは」の中で、今回の東芝の上場子会社の完全子会社化を予想していた。

 気になるのは、上場子会社で残るPOS(販売時点情報管理)レジ大手の東芝テックの扱いだ。かつて車谷暢昭会長兼CEO(最高経営責任者)は日経ビジネスのインタビューで「東芝テックのPOSデータは、我々がプラットフォームになれるデータだ」と語っていた。事業との親和性も高い東芝テックを取り込んでもおかしくなかった。

 13日の会見で車谷会長は東芝テックについて、「持続的な企業価値の向上施策について日々話し合いをしているが、現時点で持ち分の変動は考えていない」と述べた。ただ、今は動きたくても動けない事情もありそうだ。

 実は東芝テックの株価は9月からじりじりと上がり、年初から7割近く高い水準になっている。時価総額は2400億円弱になっており、高値で取り込むのは避けたのかもしれない。株価が下がったタイミングで今回の3社と同様にTOBを通じて完全子会社にする選択肢はあり得る。あるいは、高い株価に目をつけて東芝テックを他社に売却することもあるかもしれない。いずれにせよ、遠からず、その方向性は見えてくるだろう。

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