ソフトバンクグループの決算会見でウィー再建スキームの説明に時間を割く孫正義会長兼社長
ソフトバンクグループの決算会見でウィー再建スキームの説明に時間を割く孫正義会長兼社長

 「ナンピン買いのようなものだ」

 ソフトバンクグループ(SBG)が11月6日に開催した2019年4~9月期の決算会見。孫正義会長兼社長はこううそぶいてみせた。投資先で経営が悪化している米シェアオフィス大手ウィーカンパニー(ウィー)への金融支援スキームを説明していた時のことだ。

 ナンピン買いは、自分が購入した株が下がった局面で買い増すことを指す投資用語だ。以前の購入額と追加購入額を平均すると購入費用が下がるので、株価が戻れば利益が出る、という考え方に基づく。

 SBG中心にグループ全体で計1兆円超を投資するウィーは、経営の混乱から今秋に予定していた上場計画を撤回。資金繰り不安が高まり企業価値が大幅に落ち込んだことで、SBGなどはウィーへの投資分で計9000億円規模の損失計上を余儀なくされた。

 にもかかわらず孫会長はウィーに対して、既存株主からの株式公開買い付けなどを通じて1兆円規模の追加支援を実施することを決定。これをきっかけにSBGやソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の先行きを危ぶむ声が投資家などに広がっていた。

 こうした見方について孫会長は6日の決算会見で、「我々が(ウィーという)泥沼にさらに手足を突っ込んで救済するのか、と批判されているが、そうではない」「救済ではなく株式価値の洗い替えだ」「事実上、現金を追加で出さずに株の平均取得価格を4分の1に下げた」と再三反論した。

 もっとも、実際にウィーの経営再建と株価回復を果たせなければ、巨額の「ナンピン買い」はSBGのさらなる経営リスクへと転じかねない。孫会長は決算会見で、ウィーの経営再建に自信を見せた。新規拠点の開設を凍結したり、本業との相乗効果が見込めない事業を売却したりしながら財務体質を改善。その間に、開業して間もないため赤字の拠点や建設中の拠点で徐々に稼働率が高まり収支が大きく改善していくシナリオだ。

 もはや投資先の1社ではなくSBG全体の経営課題になったウィーの再建問題。退路を断った孫会長の読みが今度は当たるのか。

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