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決算を発表する中村知美社長

 11月6日、SUBARU(スバル)が開いた2020年3月期第2四半期の決算説明会。中村知美社長は「リコールなかりせば、それなりの実績を残せたのではないか。このような結果になったことは、本当に残念で忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。

 スバルの第2四半期の全世界販売台数は、前年同期比4.1%増の50万4000台と数字を伸ばした。新型「フォレスター」や「アセント」が好調な米国市場が前年同期比約11%増の33万6000台とけん引し、売上高は好調だった。

 営業利益は前年同期比68.1%増の948億円。ただ4~6月期の営業利益が922億だったのに比べ、7~9月ではわずか26億と、今期はほとんど積み上げることができなかった。その理由は予期せぬリコール費用だ。

 北米向けなどの一部車種で「シート下乗員検知システム」に不具合が起きたほか、国内でもリコールが発生。この処置費用として約650億円を計上した。この影響で、通期の見通しでは営業利益を期初予想の2600億円から2200億円へと400億円引き下げた。販売自体が好調だっただけに、「リコールなかりせば」と悔しさをにじませた。

 リコールのほかにも、台風19号の影響で群馬製作所が4.5日間操業停止に陥るなど業績押し下げ要因はあった。1日の生産台数は約2500台。およそ1万台近く影響があったというが、下期で台数を挽回していきたいと語った。

 ただ今後の懸念はリコールや災害だけではない。販売での好調を今後もどれだけ維持できるのか──。同社を支える「スバリスト」を満足させるには、トヨタ自動車との提携強化に飲み込まれない独立性が求められる。

 自社の規模ではCASE対応の次世代技術の開発を独自で行うのは難しいといった判断から、9月にはトヨタ自動車と資本提携の強化に踏み切ったスバル。その結果、一部のスバリストからは提携によってスバルらしさが失われるのでは、と心配の声も上がっている。

 中村社長は「スバルらしさを磨くことに集中するために、(トヨタと)一緒にできることは極力一緒にやっていくという狙いだ。水平対向エンジンやAWD(四輪駆動)はそんなに簡単に共有化はできない」と語気を強めた。MaaS領域ではモネ・テクノロジーズに参画しており、「皆さんと一緒に勉強していきながら考えていきたい」と、あくまでも先端領域はトヨタに任せ、自社はスバルらしさを磨くことを追求していきたい考えだ。

 スバルのもくろみ通りこれからも独立性を維持し、スバリストの心をつかむような製品開発を続けられるかどうか。トヨタとの提携「なかりせば」とならないようなかじ取りが必要になる。

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