コカ・コーラグループは2020年1月、「コカ・コーラ」のペットボトル商品に、新サイズの350mlと700mlを投入する。まずは首都圏のスーパーやドラッグストアなど約8500店舗で、500mlサイズからの切り替えを進める方針だ。コンビニエンスストアや自動販売機では従来通り、500mlサイズを販売する。

左から350ml、500ml、700mlのペットボトル
左から350ml、500ml、700mlのペットボトル

 日本コカ・コーラの和佐高志CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)は「少人数世帯が増え、清涼飲料水の飲み方も変化している」と話す。2Lや1.5Lのような大型サイズを数人で分けて飲むよりは、小型サイズを1人、または少人数で飲むようになってきているという。350mlは1人で、700mlは2人で飲むのに適したサイズとして提案する。新サイズの展開で3割の売り上げ増を狙う。

 コカ・コーラグループを取り巻く環境は厳しい。コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスが発表した2019年1~6月期の売上高は、前年同期比3.2%減の4337億円だった。

 新製品やリニューアル品の不振に加えて、18年の西日本豪雨で供給体制が制約され、店頭売り場の一部を失ったことが響いた。さらに今春の大型ペットボトルの値上げが客離れに拍車をかけ、19年4~6月期の販売数量は前年比7%減少した。

 食品・飲料業界では通常、春と秋に新商品を発売する。業界の慣習から見れば、今回の新サイズ投入時期は異例だ。「コカ・コーラ」ブランドのサイズを変更することで、販売減に歯止めをかけたい狙いが透ける。

 業界の勢力図の変化もコカ・コーラグループを焦らせる。日本コカ・コーラは10月7日から11月3日まで、自動販売機でキャッシュレス決済をすると最大800円が還元されるキャンペーンを展開した。期間限定で実質的な値下げをしたことに対して、競合大手の首脳は「サントリーの猛追を意識しているのでは」と話す。サントリー食品インターナショナルは「クラフトボス」や「サントリー天然水」など重点ブランドに注力し、飲料首位のコカ・コーラグループに迫っている。

 コカ・コーラグループに限らず、飲料業界は曲がり角を迎えている。従来、飲料各社は、利益率向上よりもシェア拡大を図ってきた。だが、少子高齢化で市場が縮小する中、売り上げを伸ばし続けるのは難しい。

 今春、飲料大手各社が一斉に大型ペットボトルの希望小売価格を上げたのは、利益率改善への一歩と見ることができる。コカ・コーラは1.5Lペットボトルを320円から340円へと値上げした。伊藤園も「お~いお茶」の2Lペットボトルを330円から350円に上げた。

 飲料大手の関係者は、「スーパーでは特売の目玉商品として100円台半ばで売られることもあるが、もう限界。本来は300円以上するものなのだと示したかった」と話す。安売りには、シェア拡大を狙う飲料メーカーが加担していたという事実は認めつつも、「飲料大手が一斉に値上げすることで、小売りへの挑戦の意味を込めた」と明かす。

 とはいえ、簡単に値上げすることができないのも事実だ。「自動販売機で10円値上げすれば、みるみるうちに消費者は離れていく。同じようなお茶が2つ並んでいたら、消費者は当たり前だが、安い方を買っていく」(業界関係者)。コカ・コーラの新サイズの展開が安売り競争から抜け出せない飲料業界を変えることができるか。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
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