ABEMAは恋愛、ドラマといった番組を流す場合、10代中心の視聴者を想定していた。もともとABEMAには、既存の民放からのテレビ離れが進む若者を捉える狙いがあった。

 10代への認知は一定の割合で広まり、もう少し上の年齢層を狙った番組へと費用を振り向けている。21年に入って配信した中には、結婚をテーマにしたドラマ「私たち結婚しました」や、離婚経験者を集めたドキュメンタリー「セカンドチャンスウェディング」がある。

 ある40代の利用者は「以前の独自作品は高校生の恋愛をテーマにしたドキュメンタリーやスキャンダラスなドラマなどのイメージが強くて敬遠していた」と語る。

結婚をテーマにした番組(上)のほか、離婚を扱うドキュメンタリー(下)も配信した
結婚をテーマにした番組(上)のほか、離婚を扱うドキュメンタリー(下)も配信した

 米大リーグの今季の公式戦166試合を生中継したのは、多くの世代に人気のあるスポーツだからだ。日本人選手の活躍で注目が集まっている背景もある。コアなファンを捉えようと配信してきた将棋番組にも趣向を凝らし、AI(人工知能)が形勢を判断するシステムを強化した。

7月から米大リーグの生中継を始めた
7月から米大リーグの生中継を始めた

有料会員はまだ92万人

 視聴者が増えているABEMAだが、競争環境は厳しい。

 月960円(税込み)で、すでに放送が開始された番組を放送中でも最初から視聴できる機能などが使える「ABEMAプレミアム」の利用者は92万人(20年末時点)。定額制動画配信サービスの国内シェアでみると2.4%(ジェムパートナーズ調べ)。ネットフリックス(19.5%)やアマゾンプライム(12.6%)との差は大きい。

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