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 花王は11月1日、極細繊維を肌の表面に塗布して極薄の膜を形成する技術「ファインファイバーテクノロジー」を応用した美容機器を発売すると発表した。12月4日から東京、名古屋、大阪などの百貨店6店舗と銀座の直営店で先行販売し、2020年1月には中国市場向けに越境ECサイトでの販売も始めるという。

花王が12月に発売する「バイオミメシス ヴェール」。極細繊維を肌の表面に塗布して極薄の膜を形成する

 「エスト」と「センサイ」ブランドで発売される新製品は「バイオミメシス ヴェール」。パナソニックと共同で開発した「ディフューザー」(本体価格5万円)に専用の化粧液(同8000円)を取り付けることで、直径1000分の1ミリメートル以下の極細繊維を肌に吹き付け、膜を形成する。吐出された極細繊維は、肌に付着した直後は白い綿が重なったように見えるが、指で肌になじませれば数分足らずで自然な膜を形成する。就寝前の利用(ナイトケア)を想定しており、肌の保湿などの効果が期待できるという。

 機器の小型化には美容家電の開発・製造にノウハウを持つパナソニックが協力。共同開発には4年の歳月をかけた。花王としては初めての美容機器の製造ということもあり、「機器の小型化はパナソニックにしかできなかった」と澤田道隆社長は語る。

発表会に出席した澤田道隆社長(右)と村上由泰執行役員

 販売は百貨店などの花王が強みを持つ販路が中心で、家電量販店では販売しない。ディフューザーのアフターサービスも花王が担う。

 ディフューザーと専用化粧液、化粧液を塗布する前に使用する美容液(1万2000円)の一式をそろえるには7万円かかるが、「ナイトケアだけでなく、シミ隠しなどディフューザーは多目的に利用できるように発展させる」(村上由泰執行役員・化粧品事業分野担当)。

 澤田社長は「非常にユニークな技術。ファインファイバーだけで事業規模100億円、将来的には医療分野にも技術を応用して1000億円規模のブランドにしたい」と意気込む。ただ、業界関係者からは「初期投資7万円で、ナイトケアだけに使うのは高い」という声も聞かれた。花王初の美容機器に消費者はどう反応するだろうか。

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