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10月31日、LIXILグループの2020年3月期第2四半期決算を発表する瀬戸欣哉社長兼CEO(最高経営責任者)

 「そもそも私に辞意があったのかどうか、私の心の中の問題まで(ガバナンス委員会は)事実認定はできない。『報告書は間違っている』とは言えないだろうし、私の『内心』まで取り上げてもらいたいとは思っていない」

 LIXILグループの瀬戸欣哉社長兼CEO(最高経営責任者)は、瀬戸氏が6月25日の株主総会でトップに復帰した後に設置したガバナンス委員会が下した結論を、微妙な表現でそう評価した。10月31日、LIXILは昨年10月末に瀬戸氏がCEOから解任されてから瀬戸氏が復帰するまでの8カ月間におよぶガバナンス問題の検証結果を公表した。焦点となっていたのは、4月9日に同社が公表した、瀬戸氏解任の経緯に関する「調査報告書」へのガバナンス委員会の評価。結論は「第三者による調査報告書の内容に不合理な点はない」というものだった。

 ガバナンス委員会の委員長を務めたのは、元あずさ監査法人副理事長の鈴木輝夫氏。メンバーは、コニカミノルタ取締役会議長の松崎正年氏、元三井住友トラストクラブ代表取締役会長の西浦裕二氏、元最高裁判所判事の鬼丸かおる氏、旧INAX創業家の伊奈啓一郎氏である。鈴木氏は調査報告書の検証について、「過去の報告書や適時開示資料、会議の議事録、社内文書などを通じて事実の確認をした。今年2月に公表された要約版では意図的に抜かれた情報があったが、4月に公表された全文版については、不合理な点はない」と説明した。

 ただ、瀬戸氏は、自身が解任された経緯についての調査報告書の説明に対して、繰り返し公平性を欠くものだと主張してきた。そもそも、ガバナンス委員会をつくり復帰後100日程度で解任の経緯を再検証した背景には、瀬戸氏の強い不満があった。株主総会翌日の日経ビジネスのインタビューでも、次のように語っていた。

 「正直言って、会社にとって都合のいい報告書を作ったという側面があると思っています。新しく社外取締役になった方たちは、当時の当事者ではないので公正に判断できると思っています」