筑波大学は26年ぶりの箱根駅伝出場を決めた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
筑波大学は26年ぶりの箱根駅伝出場を決めた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の予選会が10月26日に開催され、筑波大学が43校中6位に入って26年ぶりの出場を決めたことが話題となっている。資金が潤沢でない国立大学の箱根出場を支えた原動力の1つが寄付金だ。

 筑波大学の駅伝部はクラウドファンディング(CF)サイト「READYFOR」で寄付金を募った。2019年は約200人が計300万円以上を寄付し、寄付金の募集開始以降の過去4年間で駅伝部は約1300万円を調達した。同部はサイト上で、夕食の提供や合宿へのスポーツトレーナーの帯同が可能になったと報告している。このほか「筑波大学基金」でも継続的に寄付を募った。

 筑波大は16年に国立大学として初めて、CF事業者と業務提携した。駅伝だけでなく、同大の落合陽一准教授が研究環境の整備費を募るプロジェクトなどでもCFを利用した。READYFORによると、現在、提携は大阪大学や名古屋大学など15大学に増加。提携前の試用段階などとしてCFを実施した大学も37校あるという。

 大学への寄付金は以前からあるが、各大学はCFや基金などを活用した寄付金の獲得に本腰を入れ始めている。文部科学省によると、国立大学への寄付額は2013年の818億円から16年に1054億円まで拡大した。

 背景にあるのが、国立大学法人化に伴う国からの運営費交付金の減少がある。交付金の予算は04年度の1兆2415億円に比べ、19年度は1兆971億円と1割以上減少した。

 寄付金獲得を担うのが「ファンドレイザー」と呼ばれる寄付金集めの担当者だ。ファンドレイザー養成講座などを開く日本ファンドレイジング協会(東京・港)の宮下真美マネージング・ディレクターは「ファンドレイザーの登用や、クラウドファンディングの活用はこの2~3年で拡大した」と語る。ファンドレイザーはこれまでNPO法人で活躍するイメージが強かったが、大学でも登用が進む。

 CFでの獲得資金も含めて寄付金の管理をする「筑波大学基金」を設置している筑波大では、現在計5人のファンドレイザーが活躍。地元の民間企業出身者らを3年前から採用し始め、今年度は一気に3人採用した。筑波大担当者は「予算が減少するなか自助努力が必要になるが、従来の大学職員だけではアイデアに限りがある。民間で培ったノウハウを生かしてほしい」と狙いを話す。

 日本ファンドレイジング協会は今年3月、大学のファンドレイザーが集まる分科会を新設。国公立、私立を合わせ約100人が所属し、定期的に勉強会や情報交換をしているという。

 ただ、寄付が増えてきたとはいえ、海外に比べると規模はまだまだ小さい。文科省の資料によると、ハーバード大学は年間12億8000万ドル(約1395億円)、スタンフォード大学は11億3000万ドル(約1231億円)もの寄付を受け入れている。日本ファンドレイジング協会の宮下氏は「これまで、大学への寄付はどう使われるのか使途が見えにくく、個人での寄付は少なかった。使い道を分かりやすく示していくことが必要」と指摘している。

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