ソニーグループがゲームなど主力のエンターテインメント部門で「選択と集中」を進めている。過去半年ほど、毎月のように欧米のスタジオを買収してコンテンツ強化を進めてきたが、10月には映画事業傘下のモバイルゲーム事業を売却すると発表した。これまでの動きと逆行するような決断の背景には何があるのか。

 10月18日(米国時間)に売却を発表したのは、映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)傘下でクイズ番組などを制作する、米ゲーム・ショー・ネットワーク(GSN)のオンラインゲーム事業だ。米ゲーム会社、スコープリーに約10億ドル(約1100億円)で売却することで合意した。約400人いる社員はスコープリーに移る。

ソニーグループはトランプゲーム「ソリティアトライピークス」などを含むモバイルゲーム事業の売却を決めた
ソニーグループはトランプゲーム「ソリティアトライピークス」などを含むモバイルゲーム事業の売却を決めた

 ソニーグループでは現在、ゲームなどエンターテインメント部門でコンテンツなどのIP(知的財産)を成長戦略の中核に据えている。2020年には、世界で3億5000万人が楽しむ人気ゲーム「フォートナイト」を手掛ける米エピックゲームズに2億5000万ドル(約270億円)を出資(参考:世界3億5000万人が集うゲーム、「フォートナイト」の磁力)。ゲーム子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)でも今年6月以降、家庭用ゲーム機「プレイステーション」向けコンテンツを制作するスタジオの買収を4件発表していた。

 ソニーは長期的に10億人の顧客とつながることを目標に掲げる。インスタグラムを含め月間30億人超とつながる米フェイスブックや、約2億人の有料会員を抱える米ネットフリックスに対抗するにはコンテンツはいくらあっても足りないはずだ。にもかかわらずモバイルゲーム事業を1100億円で売却する背景には、大きく2つの理由がある。

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