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従業員に年5日の有休を取得させることが会社の義務に

 親会社のドトール・日レスホールディングス(HD)によると、ドトールコーヒーはこれまで、土日祝日と年末年始(12月31日~1月3日)を会社休日としていた。今春に就業規則を変更し、「年間119日」としたという。以前の規則であれば今年は年間125日前後の休日が発生する見込みであったが、「改元などもあり休日を調整する必要があった」(ドトール・日レスHD広報担当者)として119日に変更した。これによって、今年は祝日扱いとなっていた5月1日や10月22日、また、7月の「海の日」など一部の祝日が出勤日となり、これら出勤日となった祝日を休日にするには有休の取得が必要になった。

 これを一部のメディアが「有休取得の水増し」「有休を使わないと暦通り休めない」などと批判。ネット上では「脱法行為」といった声も上がった。ドトール・日レスの広報担当者は「規則変更は適切に行っており、法的問題はないが、社内で一部不満の声があるのは事実。社員全員が納得しきれていないことについては反省している」とした上で、「119日という休日数は例年よりも増えている。一般的に見ても休日は多い部類だ」と反論する。ドトールの過去3年の年間休日数は113~114日で推移していたという。

 厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の1企業平均年間休日総数は97.1日。ドトールは業界平均よりも20日以上休日が多いことにはなる。休日数の多い金融業、保険業(118.4日)や情報通信業(118.8日)などとそん色はない。他の外食大手の新卒社員募集要項を見ても、吉野家は年間休日110日、すかいらーくグループは標準117日とあるので、ドトールの休日数が特に少ないということはない。

 有休をめぐっては、労働基準法が改正され、19年4月に施行されたことにより、入社後半年以上勤務しており出勤率が8割以上かつ有休を年間10日以上付与される従業員については、年5日以上の有休を取得させることを会社側に義務付けた。「水増し」といった声が出るのは、5月1日や10月22日を出勤日とすることで従業員の有休消化を促す会社側の狙いがあると見えるためだろう。

 旅行予約サイトのエクスペディア・ジャパンが世界19の国と地域を対象に行った調査では、日本の有休取得率は50%(取得日数10日)と最下位だった。そもそも、いつでも気兼ねなく有休が取れるのであれば、企業側が有休取得を奨励する日を設ける必要はない。日本人と日本企業の「休み下手」「休ませ下手」を変えるには、まず働き方を変える必要がありそうだ。

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