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 天皇陛下が即位を国内外に宣明される「即位礼正殿(せいでん)の儀」が10月22日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。同日は祝日となったので、21日に有給休暇を取得して4連休となった会社員も多いのではないだろうか。

 2019年は「天皇の即位の日」の5月1日も祝日となり、ゴールデンウイークは10連休となった。ただ、すべての会社員が5月1日や10月22日を祝日として仕事を休んだわけではないようだ。ツイッターなどのSNS(交流サイト)では「うちの会社では10月22日は祝日ではないらしい」「有休を奨励された」といった声が見られた。

 実は元旦(1月1日)や海の日(7月の第3月曜日)など毎年ある祝日と、今年に限り祝日となった5月1日や10月22日は厳密には異なる存在だ。前者は「国民の祝日に関する法律」(祝日法)によって定められた年間16の祝日を指す。一方、天皇陛下の即位に関連して休日となった5月1日や10月22日は「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」(18年12月14日施行)によって定められた休日だ。内閣府の担当者によると「双方ともに『国民の祝日』の効果を持つが、それを定める法律は異なる」という。

 ちなみに10連休にあった4月30日と5月2日は法的には「祝日」ではなく「休日」。国民の祝日に関する法律第3条第3項に規定される休日だ。この規定では当該日の前日と翌日が「国民の祝日」に挟まれた平日は休日になる。つまり、4月30日は昭和の日(4月29日)と祝日扱いの休日(5月1日・天皇の即位の日)に挟まれ、5月2日は5月1日(同)と憲法記念日(5月3日)の間にある平日なので、休日となった。

 ただし、企業によっては「祝日法に定められた祝日を休日とする」という判断もあり得る。そのため、祝日法とは異なる法律によって休日となった5月1日や10月22日を「出勤日」とした上で、有休の取得を奨励するといったことも想定される。前述のツイッターのつぶやきはこのような事例を指していると思われる。

 内閣府の担当者も「言い回しの問題だが、『国民の祝日は勤務を要さない』とする場合、10月22日は休日となるだろう。一方で『祝日法に基づく祝日を休日とする』と就業規則などで明記する場合は22日が勤務日となる可能性もある」と話しており、企業ごとに判断は分かれたようだ。10月のカレンダーを見ても、14日の体育の日は祝日を示す赤い文字となっている一方、22日は平日と同じ黒い文字で表記されているものもあった。

 そんな中、企業の休日をめぐって注目を集めたのが大手コーヒーチェーンのドトールコーヒーだ。今春から会社の休日を年間119日に固定し、祝日を「出勤日」にしていると一部のメディアに報じられ、批判を浴びた。