「Yahoo!ニュース」を提供するヤフーは11月中旬から、同サービスへのコメントの投稿に、携帯電話番号の登録を必須化する。常態化していた不適切なコメントの取り締まりに向けて対策を強化した形だ。インターネットの特徴の一つでもある「双方向性」を維持しつつ、健全なコミュニケーションの場を取り戻せるか。

 Yahoo!ニュースのコメント欄は通称「ヤフコメ」と呼ばれる。同社のリポートによれば、その投稿数は月間1050万件(21年3月)にも上る。ヤフーの数あるサービスの中でも人気のサービスだ。

 今回、ヤフーは携帯電話番号が未登録のアカウントによる投稿を停止する。目的は、誹謗(ひぼう)中傷など不適切なコメントを抑止することにある。

 これまでも、AI(人工知能)と人の視認によって、不適切な投稿を繰り返すユーザーに対する規制強化を続けてきた。だが、IDは1人がいくつも持てるため、違反行為を繰り返すユーザーとの間でいたちごっこが続いていた。

 11月中旬以降、携帯電話番号を登録したアカウントのみコメントできる仕様に変更するため、ヤフーはコメントを書き込んだ「主」を特定しやすくなる。これによって同一人物による違反行為の抑制効果を期待できる。

 ヤフーは18年6月から不適切なコメントを繰り返すアカウントの投稿を停止する取り組みを開始。20年10月には、投稿停止措置を受けたアカウントと同一の電話番号を用いて新規のアカウントを再取得しても、コメントの投稿を制限するように変更した。

 既にコメントを投稿するユーザーの7割は携帯電話番号を登録済み。さらに一歩踏み込んだ今回の対策によって、「不適切なコメント抑止の実効性がより高まる」(同社)とみている。

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