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 セブン&アイ・フードシステムズは17日、「イトーヨーカドー」などの商業施設に出店している飲食店「ポッポ」に調理ロボットを導入した。導入第1号となるイトーヨーカドー幕張店(千葉市)内のポッポには、約20分で96個(12人前)のたこ焼きを焼き上げる調理ロボ「オクトシェフ(愛称・ハッピー)」と、ソフトクリームを自動で巻き上げて客に提供する「レイタ(愛称・ワンダー)」が「入店」した。

 たこ焼きは個人の技量が品質に表れやすい商品だという。セブン&アイ・フードシステムズによると、たこ焼きは顧客に提供できる品質で焼き上げられるようになるまで、20時間前後の研修が必要だ。また、調理には集中力を要するため、作業中は他の業務を兼ねることも難しい。トッピングや商品の提供は従業員が手作業で行う必要はあるが、オクトシェフは研修なしで安定した品質と高速調理を両立できる。導入によって1日平均7時間前後が費やされていた、たこ焼きの焼き上げ業務を省力化することが期待できるという。

たこ焼き調理ロボの「オクトシェフ」。一度に最大96個のたこ焼きを焼き上げる

 ソフトクリームを調理するレイタはソフトクリームのカップを従業員が置くだけで、ソフトクリームを巻き上げて顧客に提供する。青い犬のキャラクターが「頑張って巻くよ~」「グルグル~」といった音声を発しながらソフトクリームを巻く姿はなんとも愛らしく、子連れ客へのエンターテインメント性の訴求も狙っているようだ。

ソフトクリーム調理ロボの「レイタ」。45秒でソフトクリームを巻き上げて顧客への提供まで行う

 16日に開かれた調理ロボの発表会見でセブン&アイ・フードシステムズの小松雅美社長は「たこ焼きの調理は常に人が必要で利益的にも大きな課題があった。今後は今川焼(ポッポでの商品名は「黄金焼」)や食器洗浄機のロボット化も進めて人件費の改善につなげたい」と期待を込めた。

 ロボットサービスを開発したのは、調理ロボットベンチャーのコネクテッドロボティクス(東京都小金井市)。ロボットアームは中国や台湾から輸入されたものだが、ソフトウエアの開発や部品の組み立てを同社が担った。ロボットそのものを購入すると1000万円前後の費用が必要となるため、サブスクリプション(定額課金)方式でセブン&アイ・フードシステムズにロボットを貸し出しているという。

 調理ロボットのサブスクリプションサービスにかかる費用はいくらぐらいか。「料金は『時給』をベースに算出している」。コネクテッドロボティクスの沢登哲也社長はこう回答する。

 「ロボットの時給は最低賃金などをベースにしている。例えば最低賃金が1000円なら1000円×時間×労働日数となる」(沢登社長)。19年10月現在、千葉県の最低賃金は時給923円だ。つまり1日8時間で30日働けば、オクトシェフやレイタの「給与」は22万円前後になる計算だ。

 小松社長は「まずは効果を検証して、他の店舗やデニーズなど他業態への導入も検討したい」と話す。最低賃金で働くロボットは外食産業の「助っ人」となり得るか。

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