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 日本郵便は10月15日、メルカリが提供するフリーマーケットアプリの利用者を対象に、厚さ7cmの専用ボックスで商品を送り届ける配送サービスを始めると発表した。日本郵便ではこれまでもメルカリ利用者向けの配送サービスを手掛けていたが、安い送料で運ぶには荷物の厚みを3cm以内に抑える必要があった。食器や玩具など、運べる商品の種類を増やすことで、メルカリユーザーを取り込む。日本郵便がきめ細かな対応を急ぐ裏には、メルカリ向けに同様のサービスを提供するヤマトホールディングスへの強烈な対抗意識がある。

10月15日、新サービスを発表するメルカリと日本郵便の担当者

 新たな梱包資材を使ったサービスは「ゆうパケットプラス」。利用者は全国の郵便局やローソン店舗などで65円(税込み、以下同)の専用箱を購入すれば、送料一律375円で配送できる。

 日本郵便は2017年6月から「ゆうゆうメルカリ便」の提供を始めたが、安い送料で運ぶには荷物の厚みは3㎝以内が条件(配送料は360円)。これを超える大きさの荷物は一般的な「ゆうパック」での扱いとなり、最低でも送料が700円かかる。

 メルカリでは女性の利用が多く、とりわけ流通量が豊富なのは衣類だ。それでも厚みを3㎝以内に収めるには、薄手や子供の衣服などに限られてしまう。今回、厚さ7cmの箱を用意することで、日本郵便の大角聡郵便・物流営業部長は「アパレルに加え、食器や玩具など多様なニーズに応えられる」と胸を張る。

新サービスは郵便局の窓口で受け付けるほか、ローソンの店舗でも取り扱うという

 厚さ7cmの箱には、もう1つ、狙いが込められている。メルカリ向けには、競合するヤマトホールディングスが手掛ける「らくらくメルカリ便」もある。こちらには専用の箱の厚さが5㎝のサービスがある。日本郵便は同サービスに対して、厚みを2㎝増やしただけでなく、専用箱と送料をそれぞれ5円安くし、合計440円で配送できるようにした。ヤマトへの強烈な対抗意識が見て取れる。

 メルカリに出品するユーザーにとって、より安く商品を送り届けられる利点は大きい。送料を抑えた分だけ、利幅も増えるからだ。

 もっとも、日本郵便の思惑通りにいくかは分からない。7cmの厚さにこだわったことで、逆に新たな課題が出てきてしまうためだ。