NTTドコモが10月21日から、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)のMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「OCNモバイルONE」をドコモショップ全店で取り扱うことを発表した。小容量の低価格プランについてMVNOと提携することは2020年12月に公表済みで、それから10カ月を要した。背景には、NTTによる総務省接待問題でドコモとNTTコムの事業再編を中断せざるを得なかったことがありそうだ。総務省の有識者会議が「接待の影響は確認できなかった」と結論付けたことで、グループ再編がようやく動き出す。

(写真:西村尚己/アフロ)
(写真:西村尚己/アフロ)

 NTTドコモは10月7日、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とフリービットが展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスを「ドコモのエコノミーMVNO」の第1弾としてドコモショップ全店で取り扱うと発表した。NTTコムの「OCNモバイルONE」の特徴は月3ギガ(ギガは10億)バイトで基本料990円という安さ。野田浩人営業本部長はMVNOを取り扱う理由について「低価格の小容量プランはずっと空白になっていた。割安なサブブランドを持っていない我々にとって課題だった」と話す。

 ソフトバンクは14年に割安なサブブランド「ワイモバイル」を立ち上げ、ソフトバンクショップでの取り扱いを拡大してきた。今年8月の決算会見で宮川潤一社長は初めて契約数を開示し、約700万に達していることを明らかにした。KDDIも、子会社で展開していた「UQモバイル」を20年にKDDI本体に移管。auショップ全店での取り扱いを始めたことで契約数を伸ばしており、「UQモバイルをKDDIに移管して本当によかった」と高橋誠社長は話す。

 対するドコモは、吉沢和弘前社長が「(サービス品質が同じなのに割安で)一物二価になるサブブランドはやらない」と公言。20年に親会社NTT出身の井伊基之社長が就任したのと相前後して、オンライン申し込み専用の「ahamo(アハモ)」を立ち上げたものの、月20ギガバイトの大容量プランを大幅値下げするだけにとどまった。

 料金競争が激しい小容量プランに、ドコモが手を付けられていない理由は2つある。1つは、ドコモユーザーの半数以上が小容量プランを契約しており(20年3月時点で4G契約の約75%)、値下げの影響が大きいこと。もう1つは、ドコモはMVNOの多くに回線を卸しており、MVNOから利用者を奪うような値下げがしにくい立場にあることだ。総務省によると、21年6月時点でドコモ回線を使ったMVNOは契約数ベースで携帯電話市場の5.3%を占め、KDDI回線の3.7%、ソフトバンク回線の4.2%よりも多い。ちなみに新規参入した楽天モバイルのシェアは1.9%にとどまっており、ドコモ回線を利用したMVNOの存在感は大きい。

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