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 「東京産」のカカオを使用したチョコレートが、10月24日に発売される。1箱3000円(税抜き)で、2万個限定で売り出される。オンラインが主な販路だ。開発したのは、菓子類のOEM(相手先ブランドでの生産)メーカーの平塚製菓(埼玉県草加市)。平塚正幸代表取締役は、「自分は生まれも育ちも東京の下町。東京産のカカオでチョコレートを作るのが夢だった」と話す。

「ガーナでカカオの木を見たときから、日本でも栽培してみたいと思った」と話す平塚正幸代表取締役。平塚製菓は東京産のカカオの栽培に成功し、チョコレートの生産・販売を開始する

 平塚氏は、2003年に同業者と研修でガーナを訪れたことをきっかけに、「日本でもカカオを栽培したい」と思うようになった。とはいえ、カカオの栽培は赤道の南北の緯度20度以内が適しているとされる。日本に輸入されるのは収穫された後のカカオ豆で、「国内にはカカオ栽培のノウハウがなかった」(平塚氏)。

 それでも夢は膨らみ、10年にカカオ栽培を開始する。選んだのは小笠原諸島の母島だ。日本の中では、カカオの栽培地域に緯度が近い。何より、「東京産」を名乗れるのが魅力だった。

 文献やガーナで学んだことをもとに、約1600のカカオの種をまいてみたものの、数カ月で枯れてしまった。温度だけでなく、土壌や日当たりなど様々な条件がそろわないと難しいことが分かった。

 翌年、母島の農家とともに再び栽培に挑んだ。一緒にインドネシアまで行き、現地の栽培方法を視察。母島に戻ると、土地を開墾し、ビニールハウスを建てた。塩害からカカオの木を守り、日よけの効果も果たす。インドネシアで学んだ細かなノウハウも取り入れた。

 すると、「意外とうまくいった」(平塚氏)。その後、量産化を目指すため500本のカカオの木を植えることを決意。次々にハウスを建てていく。15年までに7棟のハウスを建設した。