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 ネスレ日本は10月8日、キャッシュレス決済に対応したコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ デュオプラス」を発表した。同社が2009年から展開するコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」の新型機となる。11月から提供を開始する。

キャッシュレス対応のコーヒーマシーン「バリスタ デュオプラス」。マシーンに搭載されたディスプレーにICカードをかざすと支払える

 デュオプラスは、Suica(スイカ)などの交通系ICカードやネスカフェのアプリなどを利用してキャッシュレスで支払いを受け付ける。マシンに搭載されたディスプレーにかざせば決済が完了する。オフィスや外食店への導入を進める。

 バリスタはもともと、オフィスのニーズを取り込んで急速に普及した。顧客の代表となる従業員が「ネスカフェアンバサダー」となり、コーヒーの購入を担当。同僚は、飲むたびにコーヒー代をアンバサダーに支払う。機器はレンタルのほか購入もできるが、レンタルする場合、コーヒーの定期購入を条件に機器のレンタル代は無料になる。オフィス内でコーヒーを購入できる上、カフェや自動販売機のコーヒーよりも安いことから広がった。アンバサダーの数は46万人にのぼる。

 ただ、課題もあった。コーヒー代を利用者が貯金箱などに小銭で支払ったり、アンバサダー自身が集金に回ったりする仕組みのため、集金作業は煩雑になりがち。企業が導入に二の足を踏む要因にもなっていた。

 デュオプラスでは、利用者が支払ったコーヒー代は、外部の回収事業者を通じてアンバサダーの銀行口座などに送金される仕組み。利用者も、小銭がなくてもICカードで支払える。アンバサダーと利用者双方の利便性を高めることで、さらに導入企業を拡大する狙いだ。

 さらに、オフィス以外にも提供先を広げる。例えば、飲食店。提供から支払いまで客がセルフでできることから、人手不足対策のニーズを取り込めると見ている。

 ネスレ日本の高岡浩三社長は、「日本では、女性の社会進出もあってコーヒーの家庭内消費量が激減している。家庭外でのニーズにいかに応えられるかが、私たちに今後課された使命だ」と話す。同社は、2016年から駅構内でコーヒーを提供する「ネスカフェ スタンド」を30店舗ほど展開するなど、家庭外での消費者との接点を強化している。キャッシュレス対応のデュオプラスの投入で、さらに家庭外消費の取り込みを図っていく。

 ネスレが7月末に発表した19年1月~6月の売上高は455億スイスフラン(約5兆10億円)。同社は為替変動、買収・売却などの影響を除いた売り上げの対前年伸び率を「オーガニックグロース」として公表しているが、これが前期比で3.6%増だった。ネスレ日本の売上高は前年比で4.2%増。昨年ネスレが販売権取得に合意した米スターバックスの小売事業が貢献しているという。

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