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 マツモトキヨシホールディングス(HD)は10月3日、近畿大学(大阪府東大阪市)の構内に、PB(プライベートブランド)商品を共同開発するための拠点を開設した。学生からPBのアイデアを引き出し、来年秋にも商品化したい考えだ。

 マツキヨHDと近大の共同プロジェクトでは、約20人の学生を募集。各5人ほどのチームに分けて、11月からワークショップを開く。マツキヨからは商品開発と人事部のメンバーが参加し、どんな商品が欲しいか、学生のアイデアを具体的な提案にしていく。同大薬学部の多賀淳教授らが協力。食品や化粧品の開発を想定している。学生による企画は、マツキヨ社内の役員も参加する商品化に向けた会議にかけ、通常のPB商品と同じ土俵で勝負する。

学生の柔軟な発想をPB商品の強化につなげる

 「できるだけ多くの人の頭を使うことが大事」。日常的に運動する人向けのシリーズ「アスリートライン」などの開発を手掛けたマツキヨの櫻井壱典・商品開発課課長は、ヒット商品を出すために多くのアイデアを出すことの大切さを強調する。マツキヨは2017年から、店舗の販売員など、商品開発部署以外の社員からアイデアを募る仕組みを構築しており、妊婦も食べられるカフェインレスのチョコレート風菓子を発売するなど、商品化につなげている。学生との共同開発はそうしたアイデアの「母数」を増やす狙いがある。

近畿大学薬学部の多賀淳教授(中央)は「最終消費者の情報を多数持っているマツキヨとの開発が楽しみ」と話す

 店舗数が増え、競争が激化するドラッグストア各社にとって、「その店に来る」動機になるPB強化は重要な課題だ。 今年8月、マツキヨHDとココカラファインは経営統合を決めた。ココカラファインがマツキヨHDとスギホールディングスを天びんにかけた結果だが、決め手の1つとなったのが「PBが強い」ことだった。

 業界2位のウエルシアホールディングスは8月、フランスのコスメブランドの「イヴ・ロシェ」を日本で独占販売するための共同出資会社を親会社のイオンと設立。PB育成には時間がかかると認識しており、独占販売によって同じ効果を得られるとみている。

 マツキヨは売上高に占めるPBの比率が10%超で、PBのブランド力に定評がある。だが商品数が1500を超え、次のヒット商品を生み出すのも簡単ではない。「小売業の商品開発はアイデア勝負」(櫻井課長)と考えるマツキヨにとって、少しでもアイデアが生まれる土壌を広げることが、PBをさらに強化する策になる。

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