9月27日に開催した臨時株主総会での決議を経て、ジャパンディスプレイ(JDI)の社長兼CEO(最高経営責任者)に就任した菊岡稔氏が日経ビジネスの単独インタビューに応じた。社長就任後にメディアの取材を受けるのは初めて。当面の課題となっている資金調達については、9月26日に明らかにした「4.3億ドル(約460億円)の資金調達はほぼファーム(堅い)だ」と自信を示した。

インタビューに応じるジャパンディスプレイの菊岡稔社長(写真:吉成大輔)
インタビューに応じるジャパンディスプレイの菊岡稔社長(写真:吉成大輔)

 JDIは2019年6月末に連結ベースで債務超過に陥るなど、資金調達が喫緊の課題となっている。今年8月には、中国ファンドの嘉実基金管理(ハーベスト・ファンド・マネジメント)グループと香港ファンドのオアシス・マネジメントで構成する企業連合「Suwaインベストメントホールディングス」から最大800億円の金融支援を受ける契約を交わしていた。

 だが、臨時株主総会前日の9月26日に、500億円強を出資予定だったハーベストが離脱。株主総会では枠組みを維持したままハーベストとの交渉を継続することを理由に、金融支援や社長などの役員選任案などの議案が可決されていた。資金調達について菊岡社長は「ハーベストに対して交渉継続へ引き続き強い意志は伝えている」と話した。

 そのうえでJDIは、ハーベストが完全離脱した際の資金調達計画を9月26日に明らかにしている。オアシスが1.5億~1.8億ドル、米アップルとみられる顧客から2億ドル、主要サプライヤーからの5000万ドルの合計で最大4.3億ドルとなる枠組みだ。

 冒頭の言葉通り、菊岡社長は「4.3億ドルはほぼファーム(堅い)」と明言。オアシスについてはハーベストが離脱した9月26日に「直接会って彼らから確約を得ている。(ハーベストに比べて)金融投資家の側面が強いオアシスからのコミットメントレターは意味合いが違う」と続けた。アップルとみられる顧客やサプライヤーとは、「長年にわたる信頼関係がある」と話す。

 そのうえで、ハーベストが完全に離脱した際には「再度、臨時株主総会を開くことになる」と説明。スケジュールは「11月末までの開催に向けて、(書類の手続きなどの期限となる)10月中にははっきりとさせる」と話した。

 当面のミッションとして「まずは資金調達をしっかりとクロージングさせる」と菊岡社長。成長戦略に向けた中期経営計画の策定については「明言できないが準備は始めている」と語った。

 インタビューの全文は10月4日に公開予定。

■変更履歴
記事タイトル及び本文中にある「硬い」は「堅い」の誤りでした。タイトル及び本文は修正済みです [2019/10/4 13:30]

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