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(写真:共同通信)

 ニトリホールディングスが10月2日発表した2019年3~8月期の連結決算は、売上高が前年同期比6.6%増の3215億円、営業利益が同0.6%減の555億円だった。似鳥昭雄会長は会見で、9月30日までの10日間の既存店売上高が、同66%増だったと明らかにし、「2%(の増税)でこれだけの反応があるということは、増税分かもしくはそれ以上に価格を安くする努力をしないといけない」と話した。

会見で説明するニトリホールディングスの似鳥昭雄会長(右)

 9月度(8月21日~9月20日)の既存店売上高は前年同期比19.5%増。「30日までの10日間は想定を超えた」(白井俊之社長)。ランドセルや学習机など通常、来年4月の新入学シーズンに向けて売れていく商品が多く購入されたという。そのため、増税後の落ち込みについて白井社長は「半年くらいは影響が出るだろう」と指摘。一方で「春の新生活需要の頃には軽微なものになっているのではないか」とも話した。

 増税後の反動減や消費の冷え込みに加えて、下期の不安要素となりそうなのが米中貿易摩擦の影響だ。

 似鳥会長は「アメリカの景気が悪くなれば世界中の景気が悪くなる」と影響を警戒。ドル安が円高と株安を引き起こし、「日本も少しずつ景気がマイナスになる可能性がある」。

 海外で商品を製造し、国内を中心に販売するニトリにとって、円高そのものはプラスに働く。同社は通期の業績予想の前提となる為替レートを1ドル=110円としていたが、下期の決済見込み分の為替を105.53円で予約した。これにより、業績予想に対して利益が約35億円増加するとしており、販売価格を引き下げる原資があるともいえる。

 白井社長は「今後、市場の価格が下振れする状況も多少は考えている」と話し、他社が増税の影響で価格競争に打って出る可能性を視野に入れている。増税の影響や景気の行方を慎重に見極めながら、柔軟に価格政策を打っていくシナリオのようだ。

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